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首相、「普天間」具体策素通り

沖縄知事は「状況厳しい」

菅直人首相は23日、就任後初めて沖縄県を訪れ、仲井真弘多知事と会談した。米軍普天間基地(宜野湾市)を名護市辺野古周辺に移設する先の日米合意を踏まえ、沖縄の負担軽減に取り組むと伝えたが、知事は「沖縄の状況はなかなか厳しい」と辺野古移設の難しさを強調した。首相は鳩山前政権が普天間でつまずいた経緯もあり具体策に触れずじまい。8月末までに工法などを詰めるのは難しい情勢だ。

仲井真沖縄県知事(左)と会談する菅首相(23日、那覇市)=代表撮影

内容自ら説明せず

知事「沖縄は今日休みなんですよ」

首相「はあ、そうですか。今日は天気も良くて……」

白のかりゆしウエア姿の首相は知事と約70分間、昼食をともにした。その後、内容を記者団に自ら説明することもなく、参院選公示日の第一声を予定する大阪に向かった。

同席した福山哲郎官房副長官は記者団に「非常に和やかだった」と紹介したが、話し合い継続で一致しただけで、基本的に平行線だったもよう。「日米合意を踏まえつつ負担軽減に全力を尽くす」と伝えた首相に、知事は「沖縄の状況はなかなか厳しい」と重ねて訴えざるを得なかった。

首相は具体策に踏み込まず、慎重姿勢が目立った。実現性に乏しい案に言及して信頼を失った鳩山由紀夫前首相の失敗の教訓は大きい。会談では「仙谷由人官房長官をラインにやっていきたい」としたが、沖縄との調整を進める政権内の枠組みづくりはこれからだ。

沖縄県では9月に名護市議選、11月に県知事選を控える。名護市議会は現在、辺野古移設を拒む稲嶺進市長が中道会派の協力を得て市政を運営する。条件付きながら移設を容認していた野党が、過半数を占めた場合、情勢に影響を与えるが、先行きは不透明だ。

施設建設のため海を埋め立てるには県知事の許可が必要。知事選で2期目を目指すとみられる仲井真氏は日米合意に否定的だ。無条件閉鎖・返還を主張する宜野湾市の伊波洋一市長も知事選出馬を示唆している。

8月末ずれ込みも

「(8月末までの)検討が終わったからすぐ問答無用で着工することはない。十分、地元の皆さんと議論を重ねたい」。首相は知事との会談に先立ち記者団に語った。地元の理解なしに強引に進める印象を与えないよう気を使った発言だ。日米の専門家協議に関して、政府内では8月末は埋め立て方式など複数案の評価を終えるにとどまるとの見方が広がる。

政府は11月13日から横浜で開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で来日するオバマ米大統領との首脳会談で移設計画を最終決定する段取りを描く。だが知事選はその後の同28日だ。

「紙に工程表を書いて進む話ではない」。仙谷氏は23日の記者会見で慎重な言い回しに終始した。

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