2019年5月26日(日)

成長戦略、第2弾へ始動 競争力会議3分野に重点
農業、企業の出資緩和

2013/9/3付
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政府は2日、産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)を開き、4つの分科会の設置を決めた。テーマは「農業」「医療・介護」「雇用・人材」の3つと、成長戦略の進み具合を点検する「フォローアップ」。競争力会議を開くのは6月に成長戦略をまとめてから2カ月半ぶり。決めた政策の実行状況の点検に加え、成長戦略の第2弾となる追加の改革案も打ち出す。

産業競争力会議であいさつする安倍首相(右)(2日、首相官邸)

競争力会議は秋の臨時国会の前に成長戦略関係の法案や制度改正を実行方針として取りまとめる。新たに発足する各分科会も年末までに中間提言をまとめる。

特に優先するのは農業で、3日にまず農業の分科会を開く。環太平洋経済連携協定(TPP)の議論が進むのを踏まえ、農業の競争力を上げる道筋を示す。一部は政府が秋の臨時国会に提出する農地集約組織の法案に反映する方針だ。

政府が2日示した論点案によると、焦点の一つは企業の農業参入の促進だ。現在の法律では、農地を所有できる農業生産法人を企業がつくろうとしても、出資割合は50%未満に限られる。

役員の過半数が原則150日以上は農業に従事しなければならない。資本面でも運営面でも地元農家の関与が強く、企業が主導権を握りにくい。

この規制を緩めることで多くの企業が参入し、大規模で効率的な農業に取り組むよう促す。小規模農家を支援するため農作物の販売額と生産コストの差額を農家に払う経営所得安定対策(旧戸別所得補償制度)も見直して、農地集約を促す仕組みに変える。

ただ、民間議員からは「(地域の農地取引を規制する)農業委員会は抜本的な見直しが必要」(新浪剛史・ローソン最高経営責任者=CEO)とさらに踏み込むべきだとの声も出ている。論点設定を巡って政府側と民間側で激しい議論になりそうだ。

雇用、転職支援へ能力評価制

雇用分野では転職しやすい制度をつくる。これまではそれぞれの企業が労働者の能力を評価していたが、企業の外で客観的に能力を評価する仕組みを検討する。新しい第三者機関や資格制度の創設を想定しているもようだ。企業は採用候補者について新しい判断材料を得られる。衰退産業から成長産業への人材移動を後押しする方針だ。

高い能力を持つ外国人の受け入れも拡大する。現在も学歴や職歴、年収が一定の基準に達すると日本で働きやすくなる制度はあるが、基準が厳しすぎるとの指摘が多い。これを緩めて優秀な人材を増やす。

医療、混合診療を拡大

医療は保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」の大幅拡大を挙げた。患者の収入で受けられる医療の格差が開くとして日本医師会が混合診療に強く反対し、現在は原則として禁止されている。しかし混合診療を拡大することで患者が先端医療を受けやすくする。日本の医療技術を一段と高めて海外で展開することも視野に入れる。

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