原発事故時避難、基準厳格化決定見送り
毎時500マイクロシーベルト「根拠が不明」一部で異論

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2012/12/27付
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原子力規制委員会の有識者検討チームは27日、原子力発電所で事故が起きた際の新たな避難基準を議論した。原発の半径5~30キロ圏で避難を始める基準の放射線量を国際基準より厳しい「毎時500マイクロシーベルト」とすることを決める予定だったが、一部の委員から「科学的根拠が不明だ」などと異論が出されたため、この日の決定を見送った。

検討チームは年明け以降に新基準を決定し、規制委は原子力対策指針に盛り込む方針。ただ住民防護の柱である新避難基準の決定が越年したことで、これを基に地域防災計画を作る原発周辺自治体の混乱も予想される。

規制委は、原発のおおむね5~30キロ圏は放射線を実測して避難を判断するとし、国際原子力機関(IAEA)より2倍厳しい毎時500マイクロシーベルトを避難開始の新基準とする案を示していた。

この日の検討チーム会合では、日本原子力研究開発機構安全研究センターの本間俊充氏が「科学的に十分な説明がなされていない。IAEAの基準に準ずるべきだ」と強く批判した。

別の委員からも「暫定的にIAEAの基準でもよいのではないか」(藤田保健衛生大の下道国氏)、「数値の解説を充実すべきだ」(青森県原子力センター所長の木村秀樹氏)などの指摘が出たため、とりまとめ役である規制委の中村佳代子委員は「原子力防災指針に記載するときは再度、個別に意見を伺う」とし、「500マイクロシーベルト」の基準決定を先送りした。

一方、放射性物質の放出前に避難する約5キロ圏内の避難方法ではおおむね一致した。原発周辺で震度6弱以上の地震や大津波警報発令の場合は警戒事態として情報収集を開始。全交流電源喪失などで自治体は避難の準備を進め、原子炉を停止できなくなった場合などは直ちに避難を始める。

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