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汚染水放出、経緯なお不明 東電テレビ会議映像3回目公開

本店会議での検討場面、公開されず

福島第1原子力発電所事故対応のテレビ会議の映像が23日、東京電力から追加公開された。汚染水で被曝(ひばく)した作業員への対応に追われる様子などを生々しく記録している。公開は3回目で、今回は2011年3月23~29日と4月6~11日の計13日分の映像。汚染水の海洋放出の検討が進んだ時期に当たるが、議論する場面の映像は残っておらず、経緯はなお不明だ。

取水口付近のピット(画面の右方向)の壁の亀裂から、海に流出する汚染水(2011年4月2日午後)=東京電力提供

一般社員の氏名などが特定できないよう約1500カ所の映像と音声に処理が施された。東電本店内での報道関係者の閲覧に限られ、報道用のデータ提供はなかった。

高濃度汚染水が亀裂から流出した2号機立て坑=東京電力提供

作業員が大量被曝

東電が放射性物質を高濃度に含む汚染水に気づく契機となったのは、11年3月24日に3号機タービン建屋地下で作業員3人が汚染水につかり、被曝した事故だった。公開映像では24日正午すぎに福島第1原発の社員が「170ミリシーベルト前後の被曝」と一報を伝えた。

作業は直ちに中断され、社員らは「全身状態は良好」「福島県立医大まで救急に搬送を依頼」などと慌ただしくやりとり。吉田昌郎所長(当時)は翌日の会議で「(警報付き線量計のアラームを)誤警報と判断して作業を続けてしまった。油断があった」と反省。作業員らに「事前に線量を測り作業環境を的確に伝えて」などと指示した。

逼迫する資材

事故発生から2週間近く、福島第1原発では防護マスクなどの資材が不足。24日午前11時45分ごろ、同原発の社員が「(マスクの)フィルターの汚染がひどく再使用が難しい。補充のめどが立たない」と窮状を説明。29日に別の社員は「靴下と(防護服の)タイベックが明日の仕事に影響を及ぼすほど減少している。今後は重ね着はやめて」と呼びかけた。

館内放送から作業員の食事も厳しい状況が続いたことがうかがえた。28日の放送で「メニューはお好きな非常用乾燥米と缶詰です」。飲料水不足から「ペットボトルを仲間で共有して」と呼び掛けている。

「汚染対策バッチリ」

国会事故調査委員会の報告書によると、3月28日に吉田所長が本店を訪れ、タービン建屋などの地下にたまった汚染水への対応を要求。29日に本店で開かれた特別プロジェクトの会議で、集中廃棄物処理施設の汚染水の海洋放出案が出た。だが今回の公開映像には、これらの議論の様子は含まれていない。

映像では、吉田所長は上京直前の25日午後1時ごろ、同原発の社員に「明明後日(28日)に本店で内々に必要な人に会ってくる」と話していた。同原発に戻った直後の29日午後1時30分ごろ、吉田所長は「汚染対策バッチリだよ」と話しており、本店の会議で何らかの進展があったと推察される。

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