シリア攻撃、米議会の調整始動 野党多数の下院難航か

2013/9/3付
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【ワシントン=中山真】シリアへの軍事介入承認を巡る米議会の調整が始まった。民主、共和両党には介入の是非だけでなく、規模や手法でも温度差がある。多数派が異なる上下両院で賛否が分かれるとの見方もあり、オバマ米政権が武力行使に踏み切るかどうかはなお不透明だ。

オバマ政権は2日、レーバーデー(労働者の日)の休日返上でシリアへの軍事介入承認に向けた議会対策を続けた。同日午後には野党共和党の有力議員で、軍事介入を主張してきたマケイン上院議員をオバマ大統領自らがホワイトハウスに招き、支持を要請する予定。ロイター通信によると、3日にはケリー国務長官とヘーゲル国防長官が上院の公聴会に出席する。上院は下院に先行して同日から審議を始める形になる。

政権側はすでに、軍事介入承認の決議草案を議会に示した。草案はシリア政府による化学兵器使用を断定し、大統領が適切な方法で軍事力を行使できると明記。軍事力行使の目的は化学兵器の使用と拡散を防ぎ、米国と同盟国をその脅威から守るためと説明した。

シリアの内戦そのものの終結は政治的な交渉によってのみ実現可能とし、停戦に向けた国際会議の開催を求めることも盛り込んでいる。ただ具体的な攻撃の方法や期間などには触れていない。

下院は予定通り9日に再開して決議案を審議する構え。民主党が多数派の上院は下院に先行して武力行使を認める決議案を可決する可能性がある。

野党共和党が多数を握る下院は、これまでも予算や医療保険改革などオバマ政権の重要政策に反対してきた。草の根保守運動「ティーパーティー」など財政再建強硬派が支持する下院の保守派は海外への軍事介入に否定的。共和党のポール上院議員は1日、「下院での決議案の賛否は五分五分」との見方を示した。

仮に下院が軍事介入を認める決議案を否決しても、上院が可決すればオバマ政権は武力行使に踏み切るとの見方が現時点では多い。1999年のクリントン政権でのコソボ空爆でも、上院で可決した決議を下院が否決したが、同政権は最終的に空爆に踏み切った。

決議案については民主党を中心に(1)地上部隊の投入禁止(2)軍事行動の期限設定――などを盛り込む考えが浮上している。

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