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証券大手1~3月純利益、1年前の8倍

個人の取引戻る 海外株投信も好調

野村ホールディングスなど国内大手証券5社の連結決算が1日出そろった。株式相場の活況を受けて全社が大きく業績を伸ばし、2013年1~3月期の純利益合計額は1961億円と1年前の8倍に急拡大した。株高・円安を受けて大手証券会社の店舗に足を運ぶ投資家が増えており、個人向けビジネスの好調が支えた。

決算発表する大和証券グループ本社の小松CFO(右)(1日、東証)

1日に決算を発表した大和証券グループ本社の1~3月期の連結純利益は487億円と前年同期の4.5倍に増えた。13年3月期通期の年間配当も前の期の6円から15円に引き上げた。

顧客の電話殺到

けん引役は個人向けビジネスだ。3カ月間の個人向け営業部門の経常利益は255億円と、12年4~12月の9カ月間(236億円)を上回った。小松幹太最高財務責任者(CFO)は「コールセンターでは人手が足らず、一部では顧客の電話を取れない状況も発生している」と語った。

安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」への期待から、今年1~3月に円相場は対ドルで7円強下落し、日経平均株価は2割上昇した。投資家が盛んに株式を売買したことで、1~3月期の東京証券取引所第1部の株式売買代金は125兆円と、前の四半期に比べて7割増加。証券会社の収入増につながっている。

大手証券は対面取引が主力。これまで多くの個人投資家は手数料が低いネット証券に流れていたが、最近は様変わりしつつある。大手証券では最近、中高年層の投資家が助言を受けながら売買する例が増えてきた。都内では「昼休みに口座を開設しにくるビジネスマンも多い」(大手証券)。大手では減る一方だった株式手数料収入が軒並み増加。大和の株式関連収入は148億円と前の四半期からほぼ倍増した。

外国為替市場での円安・ドル高基調を受け、為替変動を収益機会として取り込みたい個人投資家は、海外株式を組み込んだ外貨建て投資信託商品を積極的に購入。SMBC日興証券は3月、新興国株式で運用する投信を約1カ月で約1400億円分販売した。みずほ証券は「円安の進行でブラジルレアルや豪ドルなどの外債販売が増えた」。円安も証券各社の収益に追い風になっている。

各社とも期末にかけて収益が尻上がりに回復。13年3月期の通期ベースでも、5社の純利益合計額は約3000億円と、07年3月期以来6年ぶりの高水準となった。大和とみずほ証券は3期ぶりに最終黒字に転換した。

法人は回復途上

個人向けが盛況だった一方、法人向けビジネスの収益回復は道半ばだ。不動産投資信託(REIT)の資金調達が増えるなど明るさも広がりつつあるが、幅広い業種の企業が株式市場で資金を調達して成長投資に振り向ける動きはなお盛り上がりに欠ける。海外部門も赤字が残る証券会社が相次いだ。各社が08年のリーマン・ショック後に低迷した収益力を本格的に取り戻すには、法人向け部門の復調が不可欠だ。

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