2019年3月26日(火)

誕生「ビーコン」経済圏 商機到来に沸くIT業界

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2014/6/5 7:00
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米アップルがスマートフォン(スマホ)向けに仕掛けた新たな位置情報サービスに、国内IT業界が沸いている。極小の無線モジュールを店先などに配置し、スマホに情報配信する「ビーコン」と呼ばれる仕組みを活用したサービスだ。スマホ利用者に場所に応じた広告情報を配信したり、逆に店舗側が消費者動向の把握に利用したりできる。次代のネットサービスを取り込もうと、各社の取り組みが激しくなっている。

■GPSの電波が届かない屋内もOK

ワイヤレスジャパン会場内のブースに配置されたビーコンの例

ワイヤレスジャパン会場内のブースに配置されたビーコンの例

「今年の目玉はビーコンだ」――。5月末、東京ビッグサイトで開催された無線関連の展示会「ワイヤレスジャパン 2014」。関係者が展示会場のウリに挙げたのが、会場全体の約100カ所に仕込んだ「ビーコン」だ。ビーコン発信機から、近距離無線規格ブルートゥースの低消費電力モード「BLE(ブルートゥース・ロー・エナジー)」を使って微弱な電波を発信。ブース近辺を通りかかった来場者のスマホ画面に、「この出展者の情報を取得しますか?」といったメッセージを表示する。

「来場者がどのような動線で展示会場を歩いたかといった情報も技術的には取得できる」。システム構築に協力したノルディックセミコンダクター(東京・港)の山崎光男代表は語る。ネットとリアルを連携させるO2O(オンライン・トゥー・オフライン)の新たな手法として、商店街やデパート、ショッピング・モールの運営者なども熱い視線を送る。

ビーコンなら全地球測位システム(GPS)の電波が届かない屋内でも、ブルートゥースを使うことで場所に特化した情報や割引クーポンなどをスマホに配信できる。特にアップルが同社のスマホやタブレット(多機能携帯端末)向けに行うサービスは「iビーコン」と呼ばれる。アンドロイド搭載端末でも同様の仕組みが利用できる。

ACCESSは、ビーコンとGPSを組み合わせ、屋外から店内へ消費者を誘導するサービスを提案している

ACCESSは、ビーコンとGPSを組み合わせ、屋外から店内へ消費者を誘導するサービスを提案している

最新のハリウッド映画の宣伝にも、ビーコン活用事例が登場した。20世紀フォックス映画(東京・港)が5月30日に公開した「X―MEN:フューチャー&パスト」だ。シネコン最大手のTOHOシネマズ(東京・千代田)が提供するスマホ用アプリ「TOHOシネマズマガジンApp」をダウンロードした来場者に、X―MENに関する情報が自動配信される。今回はTOHOシネマズ日本橋と六本木ヒルズの都内2カ所だが、20世紀フォックス映画は今後このプロモーションの全国展開も検討しているという。

システムを提供したのは、ソフトウエア開発のACCESSだ。ビーコン活用に必要な無線モジュールなどのハードウエアと、ソフトウエアをまとめて提供する「ABF(アクセス ビーコン フレームワーク)」と呼ぶパッケージを用意。新たなマーケティング手法の創造を狙う事業者に売り込みを進めてきた。同社はアンドロイド搭載スマホに向けても同様のパッケージを用意。16日から評価キットの提供を開始する。

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