2019年8月26日(月)

誕生「ビーコン」経済圏 商機到来に沸くIT業界

(2/2ページ)
2014/6/5 7:00
保存
共有
印刷
その他

アプリックスIPホールディングスも、ビーコンに関する取り組みを矢継ぎ早に繰り出している。ビーコン向け無線モジュールやソフトウエアを提供。商業施設のパルコなどのほか、大津市の三井寺(天台寺門宗総本山園城寺)のナビゲーションシステムなどの実証実験にも採用されている。5月下旬には、誰でもビーコンが作れるキットを約1000円でネット販売すると発表し、普及にも取り組む。郡山龍代表取締役は「以前から我々が志向していたサービスに、ビーコンのトレンドがぴったりはまった」と話す。ビーコンへの関心の高まりを、事業拡大のチャンスと捉える。

■薄型電池を埋め込めばポスターでも活用可能に

FDKが開発した薄型リチウム電池。ビーコンをポスターの裏に仕込むといった際に活用できる

FDKが開発した薄型リチウム電池。ビーコンをポスターの裏に仕込むといった際に活用できる

ビーコンに沸くのはソフトウエア関連企業だけではない。薄型のリチウム電池を開発する富士通系の電子部品メーカーのFDKもその1社だ。厚さ0.4ミリメートルと極薄のリチウム電池を開発、2014年度に年間500万個の量産を計画する。この薄型電池の用途の一つが、ビーコンを仕込んだポスターだという。

「映画のポスターや車内の中刷り広告にビーコンを組み込むため、薄型電池が欲しいという引き合いが来ている」(FDKの関係者)。街中のポスターから情報を発信し、付近の歩行者に映画の宣伝動画を流すなどプロモーションに活用する動きがでてきたという。FDKはもともと、この電池をパスワードを表示する小型ディスプレーを搭載した新型クレジットカードの電源用として開発していた。今後はビーコン用を含め、3年後に現状の5倍程度まで生産数を高める計画だ。

ブルートゥース用無線モジュール大手のTDKも市場の盛り上がりに期待を込める。ビーコンでは極小のブルートゥース用モジュールが活用されるため、同社がスマホ向けに開発したモジュールの新たな用途になる可能性がある。独自の部品内蔵基板技術「SESUB(セサブ)」を採用し、ICなどを基板内に埋め込んで小型化した無線モジュールなどを提供していく方針だ。

IT各社がソフトやハードを用意することで、利用環境が急速に整いつつあるビーコン。ただし、魅力的なサービスやアプリケーションと組み合わせられなければ、消費者が受け入れない可能性もある。今後は商店やショッピング・モール、広告代理店などの使い手側が、どのような活用法を生み出してくるか注目が集まりそうだ。

(蓬田宏樹)

  • 前へ
  • 1
  • 2
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。