2018年11月15日(木)

世界と逆行? 復権なるか「おサイフケータイ」

(1/2ページ)
2014/5/15 7:00
保存
共有
印刷
その他

KDDI(au)やNTTドコモが電子マネーで“復活"を目指している。スマートフォン(スマホ)の普及に伴って一世を風靡した「おサイフケータイ」が下火になり、プラスチックカードの発行で巻き返す。ただ、消費者の財布は既に平均10枚近いカードが収まる「激戦区」。カードを減らす方向に動く海外のベンチャー企業に軍配が上がる可能性もある。

■あえてプラスチックカードを発行する国内携帯電話会社

電子マネー「au WALLET(ウォレット)」を発表したKDDIの田中社長(中)。クレジットカードのようなカードを発行し、スマホの専用アプリなどで入金できるようにした(8日午後、東京都港区)

電子マネー「au WALLET(ウォレット)」を発表したKDDIの田中社長(中)。クレジットカードのようなカードを発行し、スマホの専用アプリなどで入金できるようにした(8日午後、東京都港区)

「クレジットカードや電子マネーは伸びるのではないかという考え方からスタートしている」。KDDIが8日に開いた新製品発表会で同社の田中孝司社長は強調した。この日、KDDIは夏モデルのスマホやタブレット(多機能携帯端末)を発表したが、2時間以上に及んだイベントの主役は新サービスの「auウォレット」だった。

21日からサービスを始めるauウォレットは、米クレジットカード大手のマスターカードと組んで提供する前払い方式の電子マネーサービスだ。KDDIの携帯電話利用者を対象にクレジットカードのようなカードを発行し、世界中に約3810万あるマスターカード加盟店で使えるようにする。利用金額に応じてポイントも加算する。

入金にスマホの専用アプリ(応用ソフト)を使って携帯の利用料金と一緒に払ったり、携帯電話販売店の店頭で受け付けたりする。KDDIの利用者がカードを申し込むと1000円をプレゼントし、初回の入金時は入金額に10%加算。さらにKDDI系のじぶん銀行から入金すると、その加算に5%上乗せする。当初はポイントも一部小売店で上乗せする大盤振る舞いぶりだ。

利用者の手元にスマホがあるにもかかわらず、あえてプラスチックのカードを発行する――。一見わかりにくい動きの背景にあるのは、おサイフケータイに対応していないスマホの急速な普及だ。おサイフケータイが登場した2004年当時、消費者の手元にあったのは従来型携帯電話。しかし、国内で人気が高い米アップルのiPhone(アイフォーン)はこのサービスに対応していない。

おサイフケータイの生みの親であるドコモも同じ悩みを抱えている。同社の電子マネー「iD」の利用者は今年3月に2000万人に到達したが、「伸びは鈍化している」(担当者)。スマホがおサイフケータイに対応していなくてもiDを使えるようにするため、2月にプラスチックカードを発行。年内にはクレジットカードとの一体型も追加する。

もっともこうした動きが各社のサービスの利用拡大につながるかは不透明な面も残っている。日本デビットカード推進協議会が12年に実施した調査によると、消費者の財布の中にはクレジットカードやキャッシュカードなど既に平均8.8枚のカードが入っており、新たなカードを追加したり、既に入っているカードを追い出したりするのは難しくなっているからだ。

  • 1
  • 2
  • 次へ

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報