2017年11月23日(木)

実は存在、ビッグバン以前 宇宙誕生の痕跡を初観測
日経サイエンス

科学&新技術
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2014/4/26 7:00
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 宇宙誕生直後に起こった現象として「ビッグバン」はよく知られている。このビッグバン以前に、極小だった宇宙全体が一瞬で急膨張する「インフレーション」現象が起きていたとする説が、宇宙誕生の謎を説明する理論として有力視されている。

 米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターなどの研究グループは3月、このインフレーションが起きていたことを示す証拠を発見したと発表、世界的な大ニュースとなった。そのインパクトは昨年のノーベル物理学賞の受賞テーマであるヒッグス粒子の発見を上回るともいわれる。

BICEP2望遠鏡は南極点から約800m離れた場所にある。写真は米アムンゼン・スコット基地のダークセクター実験棟と呼ばれる建物で,BICEP2は手前の建物の屋上,おわん形のシールドの中に置かれている。画面奥に見えるのは同じく原始重力波を探索している南極点望遠鏡(画像はSteffen Richter、 Harvard University提供)

BICEP2望遠鏡は南極点から約800m離れた場所にある。写真は米アムンゼン・スコット基地のダークセクター実験棟と呼ばれる建物で,BICEP2は手前の建物の屋上,おわん形のシールドの中に置かれている。画面奥に見えるのは同じく原始重力波を探索している南極点望遠鏡(画像はSteffen Richter、 Harvard University提供)

■時空のゆがみを検出

 研究グループが南極の米アムンゼン・スコット基地にあるBICEP2望遠鏡を使って観測したのは、天球上、天の川からかなり離れた星が少ない暗い領域から来るマイクロ波(電波の一種)。

 このマイクロ波は非常に遠くの宇宙から来たと考えられ、その到来方向ごとに「偏光」と呼ばれる電波の振動方向の偏り具合を調べた。その結果、インフレーション時に生じた時空のゆがみが波として伝わる「原始重力波」に特徴的な偏光パターンが見つかった。

 もっとも、原始重力波の証拠を発見したと証明するためには別の複数の波長域のマイクロ波の偏光について同様に調べ、理論予測と高い精度で一致することを確認する必要がある。今回の観測は全天の1%に満たない領域を対象にしたものなので、最終的には全天にわたって同様の観測をする必要がある。

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