2018年11月20日(火)

熱いコーヒーカップで心も温かに 無意識の心とは
日経サイエンス

科学&新技術
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2014/3/29 7:00
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私たちは、自分で思っているよりはるかに自分の心を知らない。自分自身の意思で決定していると思いがちな日々の行動も、実はその判断は自分でも気付いていない無意識の心の動きに強く影響されている。

■第一印象はどこから

かつて精神分析学者フロイトは「心とは氷山のようなものだ。その7分の1を水面の上に出して漂う」と語り、普段意識しているのはごく一部だけだと指摘した(イラスト:Andre Kutscherauer)

かつて精神分析学者フロイトは「心とは氷山のようなものだ。その7分の1を水面の上に出して漂う」と語り、普段意識しているのはごく一部だけだと指摘した(イラスト:Andre Kutscherauer)

たとえば人をぱっと見たときの印象について考えてみよう。

私たちは、知らない人に会うと話もしないうちから何らかの印象を抱く。年齢や性別、外見の印象などから「この種の人はこういう風に振る舞うはずだ」と反射的に予測しているのだ。そして、その内容は意識の上で思っていることと、しばしば異なっている。

米エール大学の心理学者,J・A・バージ教授はこんな実験を紹介している。心理学に、心の中にある無意識のつながりを調べる「潜在連合テスト」と呼ばれるものがある。被験者に、コンピューター画面に出てくる様々なものを見て、「良い」と「悪い」に分類するテストだ。

たとえば、子犬は「良い」、クモは「悪い」という具合に分類する。さらに色々な人の顔を画面に出して、「黒人」か「白人」か判断してもらう。

2つのボタンを使って回答するが、ここにちょっとしたトリックを仕掛ける。

試験の前半では「良い」または「白人」の時に左のボタン、「悪い」または「黒人」と答える時に右のボタンを押してもらう。後半では組み合わせを入れ替えて、「良い」または「黒人」の時に左、「悪い」または「白人」のときに右のボタンを押す。

たいていの人は、マイノリティーへの偏見はなく、誰をも公正・公平に扱いたいと考えている。だが、白人の回答者の場合、「良い」または「黒人」のボタンを押す方が、「良い」または「白人」のボタンを押すよりも時間がかかることが多い。本人にとっても意外なことに、前者の方が難しいのだ。

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