2019年8月20日(火)

孫氏も狙うLINEのお値段 1.5兆円は正当か

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2014/2/27 7:00
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ネット業界でM&A(合併・買収)合戦が激しくなっている。米フェイスブックや楽天が対話アプリの運営会社を相次いで買収すると発表。24日にはソフトバンクが同じく対話アプリのLINE(東京・渋谷)への出資を打診したと米メディアが報じる一幕があった。いずれも1兆円を超える買収案件ばかりだ。単なる一時的なバブルなのか、それとも時代の変化をみすえた正当な評価なのか。市場の評価は分かれている。

■楽天が火を付けフェイスブックが油注ぐ

ソフトバンクの孫正義社長は、米スプリントに続きLINEの買収も検討しているとされる(12日、東京都港区)

ソフトバンクの孫正義社長は、米スプリントに続きLINEの買収も検討しているとされる(12日、東京都港区)

楽天が14日発表した対話アプリ(応用ソフト)「Viber(バイバー)」の買収。運営会社のバイバー・メディア(キプロス)を買収するために楽天は9億ドル(約900億円)を投じた。電子商取引(EC)や金融、コンテンツ(情報の内容)配信など楽天が手掛ける事業と連携させ、バイバーが強い新興国を含めた事業の世界展開を加速すると発表した。

この買収額に対し発表直後、日本の株式市場関係者や業界関係者からは疑問の声が上がった。「赤字会社の買収金額として高すぎる」「買収した赤字事業の立て直しが先決」など否定的な意見が相次いだ。しかしその5日後、批判を吹き飛ばす衝撃的なニュースがシリコンバレーから飛び込んできた。フェイスブックが対話アプリ「WhatsApp(ワッツアップ)」を手掛ける米ワッツアップ(カリフォルニア州)を、190億ドル(約1兆9000億円)で買収すると発表したのだ。

利用者3億人のバイバーに対し、ワッツアップは4億5千万人。バイバーの買収額を利用者数で割ると1人当たり3ドルだが、ワッツアップの買収額は1人42.2ドル。地理的な広がりに差があるとはいえ、ワッツアップについた「値段」は日本で高いと批判されたバイバーよりもはるかに高い。

さらに24日には、ブルームバーグ通信はソフトバンクがLINEに対して出資を打診したと報じた。報道によると、LINEの時価総額は149億ドル(約1兆5000億円)。利用者3億5千万人で割ると、想定される買収額は1人あたり42.6ドル。ワッツアップよりも約40セント高い。

講演する米ワッツアップ共同創業者のジャン・コームCEO(24日、バルセロナ=ロイター)

講演する米ワッツアップ共同創業者のジャン・コームCEO(24日、バルセロナ=ロイター)

こうなると、バイバーの価格が果たして高いのか安いのか分からなくなる。「このタイミングで買わなければ、買えなかった」(三木谷浩史社長)ということだけは確かだろう。

フェイスブックが写真共有アプリのインスタグラムを傘下に収めた際の利用者1人あたりの買収額は30ドル。利用者を集め多く使ってもらうことで、広告やアイテム課金、新規事業などの商機を広げるのが最近のM&Aの狙いの一つ。だとすれば1人当たりの買収額はジワリと上昇しているのもうなずける。

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