スマホで爆走、中国・小米の秘密 AKB真っ青の販促術

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2014/2/6 7:00
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中国の新興スマートフォン(スマホ)メーカー、北京小米科技(シャオミ)の勢いが止まらない。2013年は出荷台数を1870万台と前年の2.6倍に増やし、14年も倍増の目標を掲げた。成熟した日本の電機業界からは想像もつかない急成長のカギは、「劇場型」とも呼べる小米独特のマーケティング手法にある。

■創業5年で「100億ドル」クラブ入りか

小米の忘年会に登場したアップル共同創業者のウォズニアック氏(右)と雷董事長(1月10日、北京市内)

小米の忘年会に登場したアップル共同創業者のウォズニアック氏(右)と雷董事長(1月10日、北京市内)

「我々は14年に、少なくとも4000万台を出荷することを約束する」。小米創業者の雷軍・董事長兼最高経営責任者(CEO)は1月2日、中国独自のミニブログ「微博(ウェイボ)」を通じてこう語った。13年の売上高は316億元(約5280億円)と前年の2.5倍に増加。非上場なので損益などは未公表だが、出荷目標から推計すると14年の売上高は日本円換算で1兆円を越す可能性がある。

小米は10年4月に創業したばかりの新興企業。にもかかわらずわずか5年で「年商100億ドル(約1兆100億円)企業」に仲間入りできれば、世界の産業史に残る快挙といえよう。背景にはLSI(大規模集積回路)の進化でスマホ開発が容易になったことや、5億人がスマホでインターネットに接続する中国市場の巨大さがある。

では、小米の成長スピードが中国勢のなかでも突出しているのはなぜか。清華大学経済管理学院の姜旭平教授は「交流サイト(SNS)を利用したマーケティングが非常にうまい」ことが、他の中国スマホメーカーの最大の違いだと指摘する。

小米が1月10日に開いた社員の忘年会「小米全民年会」。そこでもマーケティングのうまさが際立っていた。「秘密のゲストはスティーブ・ウォズニアックだ」。雷董事長は北京市内の会場で、社員約4000人に米アップル共同創業者のウォズニアック氏を紹介した。アップルのパソコン1号機「アップル1」を設計した同氏は、中国のIT(情報技術)業界でも伝説の存在。「小米は偉大な企業となり、世界を変える力を持ちうる」との言葉に、社員は総立ちとなった。

忘年会ではこのほか、米グーグル出身のヒューゴ・バーラ副総裁がシンガポールとマレーシアへの進出など国際化について説明。ほかの経営幹部も次々と舞台に立ち、14年の目標などを語った。

小米は専門組織を置き、社員とユーザーのネット交流を奨励している(北京市内の本社)

小米は専門組織を置き、社員とユーザーのネット交流を奨励している(北京市内の本社)

中華圏の企業には、春節(旧正月)を前に全社員が参加する忘年会を開く習慣がある。小米が他社と異なったのは、忘年会の様子を微博で生中継した点にある。この日は会社の公式アカウントだけで10本の「つぶやき」を流し、最多のもので4万件以上が転送(リツイート)された。約800万人のフォロワーを持つ雷董事長や社員も個人アカウントで忘年会について投稿しており、社内イベントにもかかわらずネット上では情報がかなり拡散したようだ。

「小米ファン」がネットで参加できる抽選会も開いた。小米を身近に感じ、新製品や経営の情報を共有できる環境を築くのも小米流だ。「我々はユーザーと友達として付き合い、遊び続けねばならない」。雷董事長は年初に全社員に送ったメールで、14年の重点施策としてユーザーとの交流強化を挙げた。

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