2017年11月18日(土)

時空のゆがみをつかめ 重力波観測、幕開け迫る
日経サイエンス

科学&新技術
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2014/1/25 7:00
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 小柴昌俊・東京大学特別栄誉教授が超新星からのニュートリノをとらえた「カミオカンデ」や、その後継施設「スーパーカミオカンデ」があることで有名な奥飛騨の神岡鉱山(岐阜県飛騨市神岡町)が再び注目を集めている。ノーベル賞級の成果を生むと期待される「KAGRA(かぐら)」のトンネル工事が大詰めを迎えているからだ。KAGRAが狙うのは世界初の「重力波」検出という偉業だ。

昨年12月中旬、KAGRAの工事現場では断層を貫通してトンネルを掘るための調査が進んでいた。日経サイエンス提供

昨年12月中旬、KAGRAの工事現場では断層を貫通してトンネルを掘るための調査が進んでいた。日経サイエンス提供

■地下の超精密な物差し

 アインシュタインの一般相対性理論によると、年老いた星が大爆発する時や、中性子星という超高密度の星どうしが合体する際などは、大質量の物質の激しい動きで時空のゆがみが波となって伝わるとされる。これが重力波だ。

 重力波が存在することは間接的にすでに確認されている。だが、直接的に観測されたことは世界中でまだない。それを成し遂げようというのが重力波望遠鏡KAGRAで、東京大学宇宙線研究所を中心にオールジャパンで建設が進んでいる。

 KAGRAはレーザー光を用いた超精密な物差しといえる。

 一辺が3キロメートルのアームを直角につなげたL字形の構造になっており、両アーム内でレーザー光を常時、往復させる。重力波が到来すると空間がごくわずか伸び縮みするので、それに応じてアームの長さも伸び縮みする。その変動をレーザー光の振る舞いの変化としてとらえる。

 光学望遠鏡の場合、観測の邪魔になるのは雲や都市などの明かりだ。そのために望遠鏡を人里離れた晴天率が高い山の頂上などに建設する。これに対し重力波望遠鏡で邪魔になるのは雲ではなく風だ。

 私たちは感じないが、風が吹くと地面はわずかに揺れる。その揺れだけで、重力波による空間のわずかな変化は埋もれてしまう。車や工場などの人工的な振動も大敵だ。

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