2018年11月19日(月)

街角でサクサク動画 公衆無線LAN、LTEの10倍速に

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2014/1/21 7:00
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街角でスマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)などをつなげて使う公衆無線LAN(構内情報通信網)の利便性が一気に高まり始めた。実効速度で毎秒200メガ(メガは100万)ビットと携帯電話の高速通信サービス「LTE」の約10倍に高速化し、ハイビジョン動画やオンラインゲームを快適に楽しめる環境が今年から来年にかけて広がる。NTTドコモやKDDI(au)などの通信各社は、急増するモバイル通信の負荷を分散するため公衆無線LANの整備に力を入れてきたが、LTEの普及で利用が伸び悩んでいた。より高速に生まれ変わらせることで利用を増やし、本来の負荷分散に向けて軌道修正する狙いだ。

喫茶店やレストランでは、公衆無線LANを無料で使えることを積極的にアピールする店舗も出始めている

喫茶店やレストランでは、公衆無線LANを無料で使えることを積極的にアピールする店舗も出始めている

■東京・池袋でひそかに導入

「あれ、こんなに速かったっけ」。池袋駅(東京・豊島)に直結の喫茶店「ドトールコーヒーショップルミネ池袋店」で、店内に設置された公衆無線LANを使った鈴木将樹さん(仮名、39歳)は、他の公衆無線LANよりはるかに通信が速いことに驚いた。

速さの秘密は、KDDIが昨年秋に店内の無線LANとして最新型を設置したことだ。現在のLTEの実効速度は一般に毎秒5メガ~20メガビット程度だが、同店の無線LANを使うと「安定して200メガ前後出る」(KDDI)。

鈴木さんは日ごろから喫茶店やハンバーガーショップの無線LANをパソコンで活用しているが、LTE対応のスマホでネットを見た方が快適で、正直イライラすることも多かったという。LTEより10倍も速い最新の公衆無線LANを体験して「これならいつも使いたい」と満足げだ。

ドトールの店舗に整備したのは「IEEE802.11ac」と呼ぶ、7日に策定したばかりの無線LANの最新規格に準拠した環境だ。理論上の最大速度は、これまでの「同802.11n」が600メガだったのに対し、acは6.9ギガ(ギガは10億)。10倍もスピードアップを図っている。

スマホやパソコン、無線LAN機器などのメーカーは先んじてacに対応し、正式策定前から対応製品を発売済み。こうしたac対応のアクセスポイントをKDDIは先んじて調達し、同店に導入したのだ。

■混雑に強い、快適さもアップ

KDDIをはじめとする公衆無線LAN事業者は、より快適な通信環境を提供できるとしてacの普及に期待を寄せている。高速なことに加え混雑にも強いからだ。

acでの通信には5ギガヘルツ帯の周波数を使う。従来の無線LANで使っていた2.4ギガ帯は既に多くの無線LANの電波が飛び交い、電子レンジや無線マウス、コードレス電話などが発する電波とも干渉する。そのため、電波を占有しにくく通信速度低下を招きやすかった。5ギガヘルツ帯は原則無線LAN専用に割り当てられた帯域で、利用中の無線LAN機器も2.4ギガ帯に比べ少ないため混雑しにくい。

acを使った高速無線LANが普及してくれば、自宅で光回線につないでいるときしか使えなかったアプリも外出先で気軽に利用できる。たとえば、ハイビジョン画質の動画や「ドラゴンクエスト10」のようなオンラインゲームのように、膨大な量のデータを長時間にわたって受信し続けるものだ。

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