2019年6月25日(火)

日の丸家電、打倒アップルの条件 ソフト重視へ転換せよ
UIEvolution 中島 聡

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2014/1/15 7:00
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 長年にわたって日本を支えてきた家電メーカーの衰退が著しい。先週ラスベガスで開催された米国際家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」でもソニーなど一部を除いて日の丸家電の存在感はほとんどなかった。衰退してきている明らかな理由の1つはソフトウエアを開発する力の欠如だ。21世紀の家電業界を勝ち抜いていくには、工場の発想をやめて技術者を育てるための時代に合った組織に生まれ変わる必要がある。

日本の家電メーカーは、1990年代に起こった「アナログからデジタル」への変革は何とか乗り切った。だが、米アップルがiPodやiPhoneで作り出した、それに続く「ソフトウエア重視のハードウエア」の波には完全に乗り遅れてしまった。

よくいわれるようにiPodやiPhoneで使った技術は決して新しいものではなかった。それらの技術を魅力的な商品にまとめ上げ、時代を変える革新的な製品に昇華させた源泉こそがアップルのソフト開発力だった。

その後、ハードとソフトを一体開発する垂直統合が一般的となり、米アマゾンや米グーグル、米フェイスブックもハード市場に参入。斬新なソフト開発力を武器に話題を振りまくベンチャー企業もシリコンバレーから数多く登場してきている。

■脈々と続く「ソフト工場」思想

一方、日の丸メーカーには、プログラムの書けるソフトウエア・エンジニアを社内で育てられていない。これが製品の競争力低下に直結しており、得意なはずだった掃除機のような白物家電の分野でも米アイロボットの掃除ロボット「ルンバ」や英ダイソンのサイクロン式掃除機などに先手をとられてしまった。

筆者は日本メーカーの経営陣から、競争力低下に関してよく相談を受ける。そのときに最も致命的だと感じるのは"ゼネコンスタイル"といえる開発体制と、その背後にある人事制度の問題だ。

多くの日本メーカーは優秀な理系のエンジニアを採用してもソフトウエア・エンジニアとしては育成していない。任せている仕事は仕様作りやプロジェクト管理ばかりで、実際にソフトを開発するプログラミング作業は下請け企業に外注するというスタイルを採っている。

こうなった背景には、「大卒のエンジニアは幹部候補のホワイトカラー」「高卒の作業員は工場のラインで作業するブルーカラー」と入社時の学歴で大きく分かれていたハード全盛時代の人事システムがある。

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