2019年1月23日(水)

ネットに躍り出る"個人店主" CtoC元年到来

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2014/1/11 7:00
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モノではなく個人が持つスキルをネットで切り売りする動きも出てきた。「サイトの訪問者を増やすにはどうしたらいいですか」「タイトルに引きのあるキーワードを入れておくといいですね」。識者や経験者に有償で意見を聞けるサービス「visasQ(ビザスク)」では、業務中に生じた困り事を中心に質疑応答が活発に行われている。

■知識・経験を切り売りし、誰かの役に立つ

「visasQ(ビザスク)」では特定分野にたけたアドバイザーが相談に応じる

「visasQ(ビザスク)」では特定分野にたけたアドバイザーが相談に応じる

質問に答える利用者はアドバイザーと呼ばれ、いずれもビジネス経験が豊富な人たちばかり。職務経験やアドバイスできる内容などを交流サイト(SNS)「フェイスブック」を通じて登録するとアドバイザーになれる。「中途人材を採用したり教育プログラムを作ったりした経験がある」「食品ビジネスで経営企画の経験がある」など、IT(情報技術)関連企業や商社に勤務する1000人以上が自慢のスキルを提供しようと名を連ねている。

相談を希望する側は、聞きたい内容などを申告。マッチするアドバイザーをリストから選んだら非公開のチャット機能で呼び出す。提供してもらう知識を擦り合わせたうえで、面会日程を決める。こうして実際に会ってアドバイスを受けられる仕組みだ。相談料は1回当たり3000円もしくは1万円。7割をアドバイザーが受け取り、残りが手数料として運営会社のwalkntalk(東京・港)の収益となる。

両者の距離が離れている場合は、電話やネット電話「スカイプ」でやりとりも可能。アドバイスを受けられる分野に制約はないが、インサイダー取引など違法な情報を交換してはいけないなど一定のルールが設けられている。「副業規定に抵触するかもしれない」と心配する声に配慮して、アドバイザーが受け取った報酬を慈善団体に寄付する手段も用意した。

教育アプリの開発のためベンチャー企業ロノト(東京・中野)を立ち上げた橘芳樹さんは、最近ビザスクを初めて利用した。「一般的なQ&Aサイトはどんな人が回答してくれているのかわからず信ぴょう性がない。相手の顔を見ながら経験にのっとったアドバイスがもらえたので安心できた」と満足げだ。今回アドバイザーを務めたのはネットベンチャーを経営する松本和仁さん。「お金はいらないくらい」と語り、埋もれた知識が他人の役に立つことに意義を感じているとする。

walkntalkの端羽英子社長がサービスを始めたのは「自分では当たり前だと思っていたことが他の人にとって価値あるアドバイスになる」と考えたため。もくろみは当たり、「『国会議員政策担当秘書資格試験』の勉強の仕方について教えてほしい」「急に経理部に異動になった。会計について教えてほしい」など、困り事を抱えた相談者が次々と門戸をたたく。

CtoCが切り開くのは、売買にとどまらない。個人間で「貸し借り」する新しいモノやサービスの流通も始まっている。リブライズ(東京・世田谷)が始めた本の貸し借りをネットを介してできるサービスがその一つ。蔵書家に加え大学の研究室や医療機関の待合室、企業内図書館などが貸し手となり、全国380カ所の「本棚」と個人の借り手を結びつける。「最近は個人の参加が目立ってきた」とリブライズ運営チームの河村奨氏。CtoCで個人が貸し手として台頭しつつあることを肌で感じている。

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