ネットに躍り出る"個人店主" CtoC元年到来

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2014/1/11 7:00
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スマートフォンの普及が、モノやサービスの売買を個人にも門戸を開いている。カメラで商品写真を撮影し手軽に電子商取引(EC)を開始できる新サービスなどが相次ぎ登場。消費者自身が売り主になり、プロの商売人と対等に売買できる環境が整ってきた。個人店主がほかの個人の買い主と商売するECは「CtoC」と呼ばれる。モノやサービスの流通構造が激変する可能性が出てきた。

■スマホで簡単、2分でオリジナルショップ開店

主婦の趣味サークルの昼食会に出向き、個人向け通販サイト開設サービス「STORES.jp」の説明をするブラケットの佐藤友祐マネージャー(右下)

主婦の趣味サークルの昼食会に出向き、個人向け通販サイト開設サービス「STORES.jp」の説明をするブラケットの佐藤友祐マネージャー(右下)

とある平日の昼下がり。東京・銀座の高級レストランで主婦などが集まる趣味サークルの昼食会が開かれていた。訪ねてきた男性が講師役となり、ECサイトの開設方法についてしきりに説明している。「すごいきれいな写真。私には撮れないわ」「弊社で商品の写真撮影も無料でやりますよ」「えーすごい」「何か売るものあるかしら」――。参加者は目を輝かせて質問を次々と浴びせかける。

講師の正体は、ECサイト開設支援のブラケット(東京・渋谷)の佐藤友祐マネージャーだ。個人がECを手軽に始められる「STORES.jp(ストアーズ・ドット・ジェーピー、以下ストアーズ)」の出店者を増やすために、無料で講師役を引き受けた。地域のコミュニティーに出向き、会食やイベントなどの場で店舗を持つ魅力を伝えようと奔走する。

佐藤氏の説明を聞いた28歳の女性は「使っていない食器が大量にあるから売ってみようかしら」と思いついた。昼食会の間に実際に自分のスマホでストアーズに接続。オリジナルの通販サイトを瞬時に立ち上げてしまった。

ストアーズのうたい文句は「最短2分で仮想店舗を無料で開設できる」というもの。決済やオーダーの受付などECに必要な一通りの機能を用意しており、プログラミングなど専門知識は一切不要だ。テンプレートを豊富に用意してあり、既存の「楽天市場」や「ヤフーショッピング」とはひと味違う、個性的でおしゃれな画面デザインのECを開設できる工夫がある。

出店料は5品までの販売なら無料。6品以上販売する場合でも月額980円と安い。ブラケットが注力する手厚い支援サービスも受けられる。プロカメラマンによる商品撮影や店舗ロゴの作成、商品の発送に必要な梱包キットの提供などさまざまある。こうした支援がいずれもタダなことが人気を呼び、店舗を開く個人店主は右肩上がりで増えている。2012年8月にサービスを開始して以来、すでに6万店を突破した。「国内の通販サイトでは(楽天やヤフーを抜いて)断トツ店舗数を誇る」(ブラケット)

ブラケットが力を入れる出張説明は、東京23区内で10人以上が集まる場ならどこにでも駆けつけて無料で行うという。「今までECサイトを持つなんて遠い夢と思っていた人に、気軽に作れることを知ってもらいたい」(佐藤マネージャー)と意気込む。最近は、幼稚園の「ママ友」の集まりなどからの問い合わせが多いという。

同様の支援サービスはほかにも続々登場し、活況を呈する。BASE(東京・港)も急速に出店者を獲得し、6万店が目前。さらにFablic(東京・渋谷)は古着販売アプリ「Fril(フリル)」で100万点以上のアイテムを個人店主から集め、若い女性客を取り込むことに成功している。

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