IT革命から20年 どうなるネット社会の未来
編集委員 関口和一

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2014/1/2 7:00
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「IT(情報技術)革命」を起こしたインターネットが広く一般に使われるようになって20年。そんな節目の年が2014年だ。ブラウザー(閲覧ソフト)を世に広めた今はなき米ネットスケープ・コミュニケーションズも、電子商取引(EC)の可能性を開いた米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムも、ちょうど20年前の1994年に誕生した。

以来、モバイルやクラウドコンピューティングなど様々な技術革新を経て、今やネットは我々の生活に欠かせない社会インフラとなった。過去20年にわたるネットの歴史を振り返りながら、今年の技術トレンドがどうなるのか動向を占ってみたい。

■国際公約になった4K・8Kテレビ放送

2014年に注目されそうな技術やサービス
ARネットと現実を結ぶ拡張現実
BYOD個人所有の端末を組織で使う
ビッグデータ大量の情報を商品開発などに役立てる
IoTモノや機械とネットを結ぶ
O2Oオフラインとオンラインを結ぶ販促
SDNソフトで定義するネットの仮想化技術
ウエアラブル身につける新しい端末
4KテレビHD画像の4倍の解像度を持つ映像
3Dプリンター手軽に立体物を作る工作機械
スマホ決済スマホで行うカード決済

IT分野に影響する14年のメーンイベントは、6月に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会だ。総務省やNHK、民放各社は高精細の4Kテレビ放送の実用化に取り組んでおり、この大会で初めてCSによる4Kの試験放送を実施する。11年7月に地上デジタル放送への移行を終えてからわずか3年。新しい4K対応テレビを普及させられるか不安はあるが、今年の夏に向け4Kが大きな話題になることは間違いない。

総務省は「東京五輪」が開催される2020年までに、4Kテレビ放送とその4倍の解像度を持つ8Kテレビ放送の商用化を国策に掲げる。フルハイビジョン映像の16倍の解像度を持つ8K放送はもともとNHKの放送技術研究所が研究目的に開発してきた技術。東京五輪の開催が決定したことで、4K・8K放送の商用化はいわば日本の国際公約になった。

課題は新しい放送の受け皿を今後どうやって整備していくかだ。総務省はブロードバンドでオンデマンド映像配信が普及した結果、需要が減少したCS多チャンネル放送のテコ入れに高精細放送を使いたいようだ。次の段階として4K・8K放送をBS放送の新たなキラーコンテンツサービスに育てていくシナリオを描いている。

しかしこうした高精細放送は受信料で成り立つNHKでは成立しても、新たな広告収入が見込みにくい民放には制作コストの増加要因でしかない。4Kテレビを実現するには有料課金がしやすいネット配信も検討する必要があり、かつての「通信と放送の融合」問題が再び大きなテーマになるだろう。

4Kを含め今年注目されそうな技術やサービスは10種類あると考える。まずは新しいユーザーインターフェースとしての「AR(拡張現実)」技術、身につけて使える「ウエアラブルコンピューター」だ。ネットワーク分野ではソフトウエアでネットワークの構成を柔軟に管理できる「SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーク)」や、個人の携帯端末を組織内に持ち込んで使えるようにする「BYOD」などの技術が注目されるに違いない。

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