2019年9月16日(月)

貪欲なEC 動画やSNS、リアルとの壁次々壊す

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2013/12/5 7:00
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「どの国でも正規配信があれば、ユーザーは違法ではなく、正規のコンテンツを見る」(ホバギミアンCEO)。違法サイトの閲覧は、ウイルス感染や課金トラブルなど様々なリスクがあると訴える。楽天が積極的にヴィキとの提携を進め始めたのは、こうしたリスクがなく安心して消費者を呼び込めるサイトだったことが大きい。

ファンシーは、セレブが選んだ詰め合わせの月額販売も手掛けている(画面はアシュトン・カッチャーさん)

ファンシーは、セレブが選んだ詰め合わせの月額販売も手掛けている(画面はアシュトン・カッチャーさん)

コンテンツの権利を持つ映画会社などが作品を次々と投入しボランティアの手で字幕が付いていけば、国境を越えてECサイトへ誘客できる巨大な商流を築くことも難しくない。「地方の中小商店が扱う良品をネット販売することで市場を全国、全世界に広げられる」(楽天の三木谷浩史社長)。

音声に着目しECでの活用を試みるのはヤフーだ。音声を投稿するSNS「バブリー」の運営会社バブルモーション(シンガポール)と提携。将来的には楽天と同様、同社のECサービス「ヤフーショッピング」との連携を視野に入れる。第1弾としてバブリーが抱える著名人の"つぶやき"や楽曲の一部配信などをヤフー上で配信するサービスに乗り出した。バブリーはスマートフォン(スマホ)で声や演奏を投稿する仕組みが人気を博し、アジアを中心に利用者は3千万人に上る。

現時点ではまだECとは直接結びつけてはいないが、投稿した音声を広告で活用すれば、ECへ呼び込む導線に成長すると期待を寄せる。

■小売大手もネットの力を積極的に借りに行く

一方、実店舗を持つ小売り大手も新手を繰り出す。自社サイトで単にネット通販を提供するだけでなく、様々な手法でネットとリアルの垣根を崩そうと挑戦を始めている。

例えば大手百貨店の三越伊勢丹ホールディングス。米富裕層の間で日本の雑貨などが人気を集めていることに着目し、米ソーシャルコマースサイトの「ファンシー」と提携した。伊勢丹が扱う雑貨など約70品を出品し、これまで縁がなかった米富裕層を優良顧客に取り込むことを目指す。

ファンシーを運営するのは2010年設立のベンチャー、米シングデーモン社(ニューヨーク市)だ。キュレーターと呼ばれる目利き役にお気に入りの商品を投稿してもらう、先端的なECだ。商品の写真がきれいに並んでいて、写真共有サイトを利用するごとく買い物ができる。会員が写真をクリックすると値段や詳細情報が表示され、買い物かごを経由して支払い手続きができる。使い勝手は従来のECとなんら変わらない。

ファンシー最大の特徴は人気俳優など著名人も目利き役として参加している点にある。定額を支払うと、俳優が選んだグッズを詰め合わせた「ファンシーボックス」が毎月送られてくるメニューもある。何が送られてくるか分からないのが好奇心をくすぐるとして好評を博している。例えば米人気俳優アシュトン・カッチャーさんの箱は月額39ドルで、カッチャーさんお薦め商品が自宅に届く。定価で80ドル以上のグッズが入ってくるというからお得度は高い。

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