2019年9月20日(金)

フォーブスよ、お前もか 身売りが示す米名門経済誌の苦境

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2013/11/19 7:00
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フォーブスよ、お前もか――。96年の歴史を持つ名門経済誌「フォーブス」を発行する米フォーブス・メディアが、身売りを検討していることが明らかになった。インターネットとモバイル端末の普及が紙媒体から読者や広告主を奪い、収益を圧迫する構図は雑誌業界に共通する悩み。だが、ニュース主体の経済誌の状況はとりわけ厳しく、ライバル誌もここ数年、次々と売却の憂き目に遭ってきた。米経済誌の中ではデジタル戦略が成功しているとされるフォーブスは、かつての輝きを取り戻すことができるのか。

5番街にあるフォーブスの本社。経営難のため、建物は2010年に地元の大学に売却した(ニューヨーク市内)

5番街にあるフォーブスの本社。経営難のため、建物は2010年に地元の大学に売却した(ニューヨーク市内)

■「多くの買収提案」を期待

「みなさんの素晴らしい仕事の結果、フォーブス・メディアを買いたいという話がいくつも舞い込んできました」。15日朝、マイク・パーリス社長兼最高経営責任者(CEO)は社員にあてた手紙の中で、こう打ち明けた。「度重なる申し出とその真剣さを踏まえ、我々はドイツ銀行を代理人に立てて売却の検討を始めました。多くの提案を見込んでいます」

世界の長者番付で知られる名門経済誌は、ジャーナリストだったB・C・フォーブス氏が1917年に創刊。孫にあたる現会長のスティーブ・フォーブス氏まで3代続けてフォーブス家の人間が編集長を務めている。

非公開会社のフォーブス・メディアは2006年に45%の株式を投資会社に売却。10年にはフォーブス家以外で初の経営トップとして、ソフトバンクグループからパーリス氏をCEOに迎えたが、基本的にファミリービジネスであることに変わりはない。

フォーブス本社

フォーブス本社

米メディアによると、フォーブス氏らは4億ドル(約400億円)~5億ドルでの売却を模索しているもよう。実現すれば、米アマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス氏による米ワシントン・ポスト紙の買収額(2億5000万ドル)と、大リーグ球団レッドソックスのオーナー、ジョン・ヘンリー氏による米ボストン・グローブ紙の買収額(7000万ドル)の合計を上回ることになる。

最近のM&A(合併・買収)では新聞より雑誌の方が事業価値が高めに評価される傾向があるとはいえ、この金額には「高望み」との声が多い。

■雑誌業界でも苦境際立つフォーブス

米雑誌協会によると、フォーブスの今年1~9月の広告ページ数は前年同期比12%減。広告売上高も7.5%減だった。消費者向け雑誌全体の数字は広告ページ数が4%減、広告売上高が1.6%増だったのに比べても苦戦ぶりが際立っている。

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