2018年7月20日(金)

「機能不全の録音録画補償金、一新を」 85団体が提言

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2013/11/14付
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 音楽・映画などの著作権団体85団体が、デジタル録音・録画機に著作物の私的複製の料金を課す「私的録音録画補償金」について後継制度を創設すべく動き出した。14日に新制度の枠組みに関する提言を発表。従来はDVDなどメディアや録画機器だけに絞っていたが、ソフトウエアやネット上の複製サービスについても幅広く徴収すべきだとした。コンテンツの流通がパッケージからネットに移行するなか、現代の利用シーンにあった制度に変えることを目指す。ただ機器メーカーやネット関連企業の反発も予想され、提言通りに実際に制度化されるかは不透明だ。

■私的録画補償金の範囲をネットに広げる

私的録音・録画に関する新たな補償制度を提言する、日本音楽著作権協会(JASRAC)の菅原瑞夫理事長(14日、東京・千代田)

私的録音・録画に関する新たな補償制度を提言する、日本音楽著作権協会(JASRAC)の菅原瑞夫理事長(14日、東京・千代田)

 消費者が個人利用の目的で音楽やテレビ番組などを複製できる「私的録音・録画」は、著作権法で合法だと定められている。ただその際にはコンテンツの権利者に対価を還元すべきだとして、著作権法などによる「私的録音録画補償金」制度で権利者を保護してきた経緯がある。デジタル方式で録音・録画できるMDやDAT、CD、DVDなどの各メディアや、メディアへの書き込み機能を持つ機器は、補償金を上乗せして販売することが義務付けられている。

 ただテレビ放送をデジタル化する段階で同制度をめぐって権利者側とメーカー側が対立。最高裁判決でメーカー側の勝訴が確定したことで、同制度は実質的に機能停止しつつある。

 この問題を解決しようと著作権制度を管轄する文化庁は、文化審議会で私的録音・録画に関するワーキングチームを新設。新たな補償制度に関する検討を14年初頭に始めることを決めた。今回、著作権団体が提言を発表したのは、こうした文化審議会での検討に先立って権利者側が自らの意見を表明する狙いだ。

 提言のポイントは2点ある。1つは、補償の対象を機器やメディアではなく「機能」としたことだ。現行制度では、新たな機器が登場した場合は、そのつど文化審議会での審議を経て政令で補償金の対象として指定する必要がある。「録音・録画する機能」と定義すれば私的録音・録画機能を持つ全製品を対象にでき、新たな機器が登場しても政令改正の議論を経ることなく補償制度の対象に含められるようになる。

 機器だけでなくパソコンやスマートフォン(スマホ)向けのソフトウエアやネットサービスも、一律に補償制度の対象としたい考えだ。ただし正規の動画・音楽配信などで提供会社が権利者とあらかじめ契約している場合は除く。

 また日本芸能実演家団体協議会の椎名和夫常務理事は「機器やソフト、サービスを販売することで利益を上げていることが(補償制度適用の)根底にある」と語り、フリーソフトのように開発者が収益を上げていないものは対象外とする考えを示唆した。複製可能な回数に応じた補償額の設定などは今後詰める。

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