2018年6月22日(金)

「自動運転」こそ日本の切り札 グーグルを恐れるな
編集委員 関口和一

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2013/10/17 7:00
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 最新のIT(情報技術)を使って車の安全運転や交通渋滞の解消などを目指す「ITS(高度道路交通システム)世界会議」が10月14日から東京ビッグサイト(東京・江東)で始まった。今回目玉となったのは車の自動運転技術や、交通情報などビッグデータの活用だ。こうした分野では最近グーグルなど米IT企業の躍進が目立っているが、展示会場を歩いてみると自動車分野を中心に培ってきた日本の技術力を垣間見ることができた。

■グーグル参入で関心急上昇

最大規模を誇るトヨタ自動車の展示スペース

最大規模を誇るトヨタ自動車の展示スペース

 日本の自動車メーカーで自動運転技術の開発にしのぎを削っているのが、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダの3社だ。トヨタは今年1月、米ラスベガスで開かれた国際家電見本市「CES」で新技術を披露。日産も今月初め、千葉・幕張メッセで開かれた家電見本市「CEATECジャパン」で自動運転のデモを紹介した。今回のITS世界会議ではホンダも小型車「フィット」をベースにした自動運転車を公開、大手3社が横一線に並んだ形だ。

 米国でもゼネラル・モーターズ(GM)などが自動運転に熱心に取り組んできた。日本の自動車メーカー各社が自動運転に意欲を燃やし始めた背景には、グーグルの参入が見逃せない。グーグルの自動運転技術は世界の自動車業界のみならず家電やIT業界の関心を呼んでいる。刺激を受けたのは自動車王国、ドイツのメーカーも同様。ダイムラーは9月の「フランクフルト国際モーターショー」を前に最高級車「メルセデス・ベンツS500」をベースに開発した自動運転車を公開した。

警察庁の出展ブースでもドライブシミュレーターが活躍

警察庁の出展ブースでもドライブシミュレーターが活躍

 ITSは「インテリジェント・トランスポート・システムズ」の頭文字をとったものだ。もともとは車の安全運転や渋滞解消などを狙いに技術開発が始まった。自動料金収受システム(ETC)の開発もITSの大きな成果といえる。世界会議はITSの普及を目的に1994年に自動車分野の技術者や行政責任者などがパリで集まったのが最初だ。翌年には横浜で第2回会議が開かれ、その際に日本側が提案した「ITS」の名称がそのまま海外でも使われるようになった。

 実は車の自動運転はITSが当初から目指していたものではない。高齢者や身体障害者でも車の運転ができるようにとドライバーの運転支援技術の開発から始まった。自動運転といえば、むしろトラックなどの隊列走行技術の開発を意味した。大型トレーラーの代わりに複数のトラックを1人の運転手の操作のもとカルガモの行列のように一列に走らせられれば、安全面でも効率面でも大きなメリットが得られると考えられた。

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