日テレ出資ベンチャーに聞く 大企業との未来志向な「交際術」
編集委員 村山恵一

コラム(ビジネス)
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2013/10/3 7:00
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「証券会社や監査法人がスタートアップに興味を持ってくれているのも大きい。証券会社に対して大企業から『いいスタートアップはないか』と問い合わせが入り、証券会社がおすすめのスタートアップを紹介する例も増えている」

――イノベーションで閉塞を破るため、スタートアップからアイデアを取り入れたいと考える大企業が増えたのではないか。

スタートアップコミュニティー「creww」のサイト

スタートアップコミュニティー「creww」のサイト

「いまのままではいけないと、いい意味で危機感を持っている大企業がスタートアップに注目している。スタートアップの資金調達先もベンチャーキャピタル(VC)から事業会社へと間口が広がってきた。300万円、500万円といった金額を創業時に出すシードステージのインキュベーターが増え、資金の出し手の層が厚くなった。ベンチャーを育てるエコシステムづくりの理想形に近づいている」

■初期のシリコンバレーと同じ状態

――ただ、スタートアップも玉石混交。事業内容がお粗末でも資金調達できる「バブル」になっていないか。

「本来投資すべき対象ではないスタートアップにまでおカネが回っているかもしれない。しかし、米シリコンバレーも最初はそうだったのではないか。失敗しながら適正な姿にシェイプされていくと思う。スタートアップコミュニティーも学習することが必要だ」

――大企業とスタートアップのつき合い方はどうあるべきか。

「やはり『上から目線』の大企業とはつき合いたくない。大企業のなかにはスタートアップを下請けとみなすところもあるが、対等なパートナーという姿勢でなければコラボはうまくいかない。スタートアップ側も大企業にこびへつらう意識ではだめ。上下関係に陥らず、堂々と目線を合わせることが大切だ」

――これからのクルーの課題は何か。

「スタートアップへの貢献余地がまだまだある。挑戦する人を増やし、成功率を上げるためにやるべきことは多い。クルーには起業家と、彼らを支援しようというアドバイザー人材がたくさん登録しているが、マッチングが十分にできていないと反省している」

「起業家、アドバイザーともに『私なんかが連絡していいものか』と遠慮がちだ。サイトを通じてコミュニケーションが活発になるようハードルを下げる工夫をしていく。起業家とアドバイザーが結びつくしくみを普及させたい。これがぐるぐる回れば、いい世の中になると思う」

Creww(クルー)とは
 伊地知天氏が起業家の家入一真氏と組み創業した。ベンチャーキャピタルのインキュベイトファンド(東京・港)も出資。9月に日本テレビ放送網が株主に加わった。スタートアップ・起業家と、それを支えるアドバイザー、投資家、エンジニアなどをつなぐコミュニティー「creww」を運営する。現在の収入源はマーケットプレイスでの商品販売と、大企業とのコラボレーション企画にかかわるシステム利用料。伊地知氏にとってクルーは4社目の起業となる。
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