2018年7月20日(金)

「夢のお告げ」は実在する 脳科学で仕組みを解明
日経サイエンス

科学&新技術
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2013/9/25 7:00
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 「夢のお告げ」という言葉があるが、目覚めている時に思いつかなかったインスピレーションや課題解決のヒントを夢から得られることが確かにあるようだ。

 有名な例は、ベンゼン分子が亀の甲羅のような円環構造をしていることを夢で考え付いた化学者ケクレの経験だろう。芸術の世界にも同様の逸話は多く、ベートーベンやポール・マッカートニー、ビリー・ジョエルは、目覚めた時に新しい楽曲が湧いて出たという。

■レム睡眠時に常識の枠が外れる

夢を使った能力開発や課題の解決の研究が進んでいる=TARA MOORE Aurora Photos

夢を使った能力開発や課題の解決の研究が進んでいる=TARA MOORE Aurora Photos

 なぜ夢でこのようなことが可能なのか。夢を使った能力開発や課題の解決はどこまでできるのか。ここ10年ほど、脳科学の研究成果をもとにそうした研究が進展している。

 人が夢を見るのは「レム睡眠」の時期だ。レム(REM)とは急速眼球運動の略で、この時期には眼球が活発に動き、脳の活動も覚醒時と同じ水準に高まっている。

 ただ活性化している脳領域は覚醒時とは異なる。夢を見ているときは、大脳皮質のうち視覚や動きの感知に関わる部分が活発に活動する。情動に関連した部分の活動も活発だ。

 対照的に、意思を伴う行動や、論理的・社会的に適切かどうかの判断に関係した領域(前頭前野背外側部)はあまり活動しない。このひとつの解釈は、思考を論理的で既知の事柄に制限している「思考の抑制作用」が弱まり、常識にとらわれない思考をすることで、独創的な発想や、問題解決が導かれるというものだ。

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