走行中の自動車へ無線給電 韓国、新技術で100KWの高出力

(2/3ページ)
2013/9/5 7:00
保存
共有
印刷
その他

「そこでは運転手が10分ほど休憩するために停車したままになる。その際にも充電できるので、復路を出発する段階ではフル充電された状態だ。今回の実験に使うバスは1キロメートル走るのに1~1.6キロワット時の電力を必要としている」

■2年で出力が1.7倍増に

実験を主導する韓国科学技術院の趙東浩(チョ・ドンホ)氏。1979年韓国科学技術院電気電子工学科卒。07年同院IT融合研究所長、09年オンライン電気自動車事業団長。04年科学技術省の次世代移動通信事業団長、10年放送通信委員会諮問委員など公職も務める。57歳

実験を主導する韓国科学技術院の趙東浩(チョ・ドンホ)氏。1979年韓国科学技術院電気電子工学科卒。07年同院IT融合研究所長、09年オンライン電気自動車事業団長。04年科学技術省の次世代移動通信事業団長、10年放送通信委員会諮問委員など公職も務める。57歳

――日本で実用化済みの充電装置は有線でも数十キロワット程度にとどまる。どうやって100キロワットもの高出力を無線で実現したのか。

「『磁気共振形象化(Shaped Magnetic Field in Resonance)』という電気を送る技術を開発した。送電装置のコイルと受電装置のコイルの共鳴を使って送電する仕組みだ。似た既存技術もあるが全く異なる新しいアイデアだ。磁性材料であるフェライトをうまく使うことでコイルから出る電磁波を制御し、高い出力と送電効率を両立させた。この技術は韓国だけでなく米国などでも特許を出願中だ」

「磁気共振形象化を採用した実験は11年にソウル市の公園内を循環するバスで行っている。このときの送電能力は60キロワット。走行距離の16%に当たる372メートルに給電装置を埋めた。その後KAISTの敷地内でも6台の電気バスを走らせるなど実験を継続した結果、徐々に電力を引き上げることに成功。現在の100キロワットを達成することができた」

――送電電力を高めると漏電が増えてエネルギー効率が落ちる。加えて人体などにも影響を与えかねない。

「我々が開発した技術ならその点も問題がない。国際的な安全基準を満たしている。ペースメーカー使用者や実験車以外の一般車両などにも悪影響はない」

「無線給電では送電する距離が長くなると効率が落ちる問題がある。ただ今回の実験では地面から15センチメートル下に給電装置を埋設。地面からバスの受電装置までも15センチメートルとした。送電装置のコイルと受電装置のコイルの距離は30センチメートル以上あるが効率上は問題ない」

――実用化に向けて課題は。

「技術開発面では完成が近づいているがまだコストが高い。送受電装置などを標準化して、汎用部品で作れるようにすることが重要だ。自動車だけでなく鉄道向けでも実用化を目指していく」

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]