2017年11月20日(月)

走行中の自動車へ無線給電 韓国、新技術で100KWの高出力

コラム(ビジネス)
(1/3ページ)
2013/9/5 7:00
保存
共有
印刷
その他

 韓国で8月、走行中の電気自動車(EV)に無線を使って給電する実証実験が始まった。韓国南部の亀尾市にある一般道で進めており、実用化できれば車載蓄電池の容量を減らせる。実験を主導するのは韓国最高の頭脳が集まる理工系大学とされる韓国科学技術院(KAIST)。趙東浩(チョ・ドンホ)無線電力送電研究団団長は、車両や充電設備などを含めたシステム全体の導入コストは「有線充電に比べて3~4割安くできる」と話す。実験の意義や今後の展開について趙氏に話を聞いた。

■道路下から無線で電気を車へ届ける

100キロワット時の蓄電池を搭載するバスで実験。実用化段階では容量を半分以下にできるという(韓国・亀尾市)

100キロワット時の蓄電池を搭載するバスで実験。実用化段階では容量を半分以下にできるという(韓国・亀尾市)

 ――実験の具体的な内容は。

 「容量が100キロワット時の蓄電池を載せたバスを2台用意した。このバスを片道12キロメートルの道路で1日10往復走らせている。路線バスで使われることをイメージしている。7月から試験運転を始め、問題点がないかを確認した。そこで8月からは1日4往復分については一般市民にも乗ってもらうようにしている。残りの6往復分を研究開発に振り向けている」

 ――無線給電に着目したのはなぜか。

 「電気自動車は環境負荷が少ないため高い期待を集めている。しかしながら走行距離を確保しようとすると車に載せる蓄電池が高価になり重くもある。充電に時間がかかることも本格的な普及を妨げている。そこで走行中に充電できるようにすれば電池を軽くできコストも抑えられ、課題のうちのかなりの部分を解決できる」

 「KAISTは給電装置を道路に沿って線状に埋め込み、その上を走る車に無線で充電する『オンライン電気自動車システム(OLEV)』という仕組みを開発してきた。2010年に米タイム誌で世界の50大発明の一つとして選ばれるなど、海外でも高い評価を受けている」

 ――充電は具体的にはどのように行うのか。

 「亀尾市では往復24キロのうち合計144メートルの区間に給電装置を5カ所埋め込んだ。バスがその区間を走行中にバスの底部に取り付けてある受電装置に自動的に送電する仕組みだ。送電を始めるためのバス接近の感知や充電量の管理にはIT(情報技術)を駆使している」

 ――給電区間は全体の0.6%しかない。車は高速に移動するが充電時間は足りるのか。

 「100キロワットの電力を80%以上という高効率で供給できるので十分だ。停留所の近くや坂道など、走行速度が遅くなる場所を給電区間として選ぶなど工夫もした。バスが折り返す地点にも給電装置を埋め込んだ」

今なら有料会員限定記事がすべて読めます!
電子版10日間無料お試しキャンペーンは11月20日まで!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報