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学習塾、iPadで授業効率化 時間短縮し費用抑制

 首都圏を中心に学習塾を展開する俊英館(東京・板橋)が6月から提供を始めた指導用アプリ「AC Flip」。米アップルの多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」を使い、プロジェクターにパワーポイントのようなスライドを映して授業を進める。黒板がいらず、授業の効率化も実証され始めたことから、公立学校などでの幅広い活用を見込む。
俊英館はiPadを使った授業を始めるなどデジタル化に本腰を入れている

「実はパワーポイントを使うよりも、このアプリを使った方が授業が円滑に進むんですよ」と強調するのはマーケティング部の小池幸司さん。ソフトウエア会社の日本インフォメーション(名古屋市)と共同開発したこのアプリが威力を発揮する1コマが歴史の授業だ。

年表や人名を記したスライドをプロジェクターで教室の前方に映し出す際、生徒に暗記してほしい単語には事前に付箋をはって表示する。次にこの付箋をテレビ番組で使われるフリップボードのように、先生が任意の順番でめくれる。パワーポイントにはできない機能が特徴だ。無料で利用できるが、容量に応じて課金していく仕組みをとる。

アプリの用途には新たな可能性もある。例えば授業中に国語の記述式問題を解かせたとする。生徒全員分の答案を一覧表示したスライドをプロジェクターで映し出すことも検討。このアプリだと大容量のデータを処理できるためで、授業の効率化だけでなく、授業時間の短縮化にも貢献できる。

俊英館では2011年に授業にiPadを導入。実際の授業時間が従来比で3割短くなったという。特に理科や社会の分野で顕著で、板書する文字量も多い教科での手間が省けるようだ。1コマの授業時間も65分から45分になり、5教科の指導日数は週3日から2回に変わった。部活動などで忙しい中学1、2年生を呼び込む集客策にもなっている。月謝は約1万8000円と、週3回の時と比べて2割安い。今回のアプリが本格的に利用されれば、授業の効率化は一段と進みそうだ。

アプリを活用するiPad授業は端末の導入費用などの負担が大きく、現状では先生が使うケースにとどまっているのが一般的だ。一方でタブレット端末を使った授業に取り組む公立学校も増え始めており「塾もデジタル化の波に遅れないように今から対策を取る必要がある」(小池氏)。学習効果が上がるサービス内容の充実競争に拍車がかかりそうだ。

(岩本圭剛)

[日経MJ2013年8月30日付]

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