2019年1月24日(木)

ソーシャルゲーム、バブル崩壊後の過酷な競争
ジャーナリスト 新 清士

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2013/8/19 7:00
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ここ数カ月ダントツの人気を誇る「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」もクロスマーケティングに力を注ぐ。開発元のガンホーは他社の宣伝場所としてパズドラを開放するという大胆な作戦に出た。6月にフィンランドのスーパーセルという会社が「クラッシュ・オブ・クラン」を日本展開する際に活用している。

「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」の人気にうまくあやかって国内ランキングを500位から4位に上げることに成功したフィンランドの「クラッシュ・オブ・クラン」

「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」の人気にうまくあやかって国内ランキングを500位から4位に上げることに成功したフィンランドの「クラッシュ・オブ・クラン」

クラッシュ・オブ・クランは、アメリカ市場を中心に1年近く常に売り上げランキングで1位もしくは2位の大ヒット作品。同社は4月時点で1日当たり240万ドル(2億4千万円)もの巨額を売り上げているといわれている。

両社のクロスプロモーションでは日本のパズドラ内でクラッシュ・オブ・クランを広告し、逆に海外のクラッシュ・オブ・クランではパズドラを紹介。クラッシュ・オブ・クランは日本でのランキングは500位前後だったが、現在は4位。世界を代表するビッグタイトル同士の宣伝効果は驚くほど大きかったようだ。

ただこうした戦略は強い作品を持っているゲーム会社だけに許された特権。優勝劣敗がはっきりしてきたソーシャルゲームの世界では、資本力と既存作品での獲得利用者数が、ますます次のヒットを引き起こせるかの決め手になりつつある。調査会社ディスモによると、アメリカ市場で昨年10月から1月の間にランキング上位に入った250社のうち、新規参入のゲーム会社はiPhone向けはわずか0.25%。アンドロイド向けも1.2%にすぎない。

成功はどんどん狭き門となり、中小ゲーム会社が突然成功するチャンスは少なくなっている。勝ち組と負け組の差がさらに広がっていくことは避けられそうもない。今は勝ち組であったとしても安泰ではない。ユーザーの所有するゲームを遊ぶハードウェアの切り替え期には、勝ち組が負け組に急速に転落することがある。それが、スマートフォンに切り替わるタイミングで同じことが起きているのだ。

高性能なスマートフォンによって、家庭用ゲーム機とまったく遜色のない質の高いゲームが次々に現れている時代になってきている。その一方で、ソーシャルゲーム市場で容易に収益を上げられるバブルの時代は終わりつつある。各社の淘汰が進む厳しい時代に向かっている。

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