2019年8月20日(火)

「半沢直樹」もダダ漏れ ネット無法大国、中国のいま

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2013/8/15 7:00
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著作権侵害、模倣、文書流出――。世界最大にして最も不透明。それが中国のインターネット市場だ。利用者数は日本の6倍の約5億9000万人。巨大市場は確かに日本企業にとって魅力だ。しかし、つきまとうのは負のイメージばかり。中国相手にビジネスを手がける企業からすれば「ネット無法大国」とどう向き合えばいいのか。その実態に迫った。

■大手企業の社内資料が見放題

中国ではさまざまなコンテンツが違法な形で野放しにされている。たとえば日本のテレビ番組がリアルタイムでネット上で視聴可能で、テレビ局は頭を悩ませている

中国ではさまざまなコンテンツが違法な形で野放しにされている。たとえば日本のテレビ番組がリアルタイムでネット上で視聴可能で、テレビ局は頭を悩ませている

「この資料は日本のある企業の技術資料です。閲覧後は24時間以内に削除して下さい」。中国のネット検索大手、百度の文書共有サイト「百度文庫」では、誰でも無料で7900万件を超える文書データを閲覧できる。このサイトで今月上旬、複数の日本企業の内部資料が流出したとして話題を集めた。

百度文庫に流れた資料の多くは日本企業の製品紹介資料。社内組織図や販売促進マニュアルなどが流出した企業も多い。トヨタ自動車やホンダ、ソニー、パナソニック、東芝といった日本を代表する大企業は例外なく流出の「被害」に遭っている。14日時点で検索ボックスで日本語の「社外秘」と入力したところ、日本企業から流出したとみられる合計1018件もの内部文書が閲覧可能だった。

一連の文書流出が始まったのは2年ほど前。もともとは論文や研究資料を閲覧できるサービスとして利用されていたが、公開文書の中身が徐々にエスカレートし始めた。

背景にあるのは、百度文庫特有のある仕掛けだ。サイト上では誰でも自由に文書を閲覧できるが、パソコンなどにダウンロードして取り込むには「ポイント」が必要になる。このポイントを得る手段が簡単に言えば「物々交換」になっている。

つまり多くの人の関心を集めそうな文書を提供し、できるだけ多くの人にダウンロードしてもらうようにする。すると閲覧されればされるほどポイントがたまり、今度は自分が欲しい文書を入手できるようになる。それが高じていくことで、最終的に「社外秘」「機密」とされる文書にまで手を出してしまう。

こうした利用者の意欲をくすぐる仕掛けで、百度文庫の共有文書は急増。研究目的のサイトから、たちまち企業の内部情報や個人情報まで流出する場へと変質してしまった。

もっとも現在のところ日本企業から流出した資料の大部分は「重要度が高くない」(自動車大手)。百度側も企業から削除を求められれば、即座に削除するなど対応を進める。

だが中国で百度の検索利用シェアは7割に達し、百度文庫の利用者も増加が続く。中国では知的財産権や機密情報に対する意識が乏しい人が大半なだけに「企業にとって致命傷になり得る重要情報が漏洩する恐れは常にある」(中国の弁護士)。企業側も対策が必要なのは確かだ。

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