2019年1月19日(土)

攻める「ネット配信」に守る「放送」 敵か共存か
UIEvolution 中島 聡

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2013/8/1 7:00
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 テレビをインターネットと連携させる「スマートテレビ」。米グーグルが先週、テレビに挿すタイプの新製品「クロームキャスト」を35ドルという超低価格で発売し注目を集めている。日本での発売は未定だが、近い将来に上陸する可能性が高いだろう。一方、国内ではパナソニックが4月に新型「スマートビエラ」を発売。ネットを積極的に活用して放送番組の魅力を高めるという、放送局にとって歓迎すべき製品だが、なぜかCMが流せないという混乱した状況になっている。

グーグルが24日に発表したクロームキャストはUSBメモリーのような形状のデバイスだ。テレビに付いている「HDMI」という規格の端子に挿し、無線LANのWiFi経由でスマートフォンやパソコンと接続する。「クロームキャスト対応」のアプリで"cast"ボタンを押すと、表示していたウェブページや動画をテレビに投射(キャスト)できる。たとえば、人気映像配信サービスの「ネットフリックス」や動画共有サイト「ユーチューブ」といった映像配信サービスで使える。

■過去2回の失敗を検証して開発した端末

グーグルが出した家庭用テレビ向け製品は、これが3つめとなる。

最初の「グーグルTV」は、テレビの受像機にグーグルのOS(基本ソフト)アンドロイドを搭載していた。グーグルのコンテンツ配信サービス「グーグルプレイ」から音楽や映像の配信を受けたり、アプリをダウンロードして走らせるようにするなど、テレビそのものをスマートフォンと同様のスマートテレビにしようというものだった。

グーグルTVを搭載したテレビは、ソニー、韓国LG電子、米ビジオなどのメーカーが発売したものの、ほとんど売れずに終わった。技術的には興味深い取り組みだったが、テレビとしては機能が多く複雑過ぎる上に、消費者にとってのメリットがはっきりしなかったのが敗因だ。せいぜい数年に一回しか買い替えないテレビに、当時まだ急速に進化していたアンドロイドを搭載することに無理もあった。

2つめは「ネクサスQ」という球状のデバイスである。

テレビ本体とは切り離し、インターネットとつなぐセットトップボックス型にしたものの、使い方はグーグルTVと同様にグーグルプレイ上のコンテンツを楽しむ形だった。このため、「目的がはっきりしない複雑な多目的デバイス」という欠点も同じままだった。299ドルという高価格だったこともあって、消費者からの反応は冷たく、正式な発売前に中止に追い込まれ、製品として日の目を見ることはなかった。

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