アップル、停滞か助走期間か 「沈黙」の9カ月

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2013/7/24 14:50
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米アップルの2013年4~6月期業績は、2四半期連続の減益となった。売上高が前年同期比で微増となるなど、市場予想を上回ったことから米株式市場で同社の株価は一時5%以上値上がりした。ただ約10年ぶりの減益となった1~3月期から回復しなかったことで、同社の「成長神話」に陰りが出てきたことは否めない。アップルは今、同社が停滞期へと突入するか、あるいは再び高い成長を実現できるのかの瀬戸際に立っている。

2012年10月に発表したiPad miniから画期的な製品の発表が途絶えている

2012年10月に発表したiPad miniから画期的な製品の発表が途絶えている

■今秋発売のパソコンを"チラ見せ"

最も注目すべき点は、昨年10月に低価格版のタブレット(多機能携帯端末)「iPad mini」を発表して以降、約9カ月にわたって革新的な新製品を投入するに至っていないことだ。同社はこれまで高付加価値のある先進的な製品を次々と投入し、世界各国で生まれた熱狂をそのまま利益に転換する戦略で成功をおさめてきた。そのペースが明らかに鈍ってきている。

同社の焦りを象徴するのが6月に開いた開発者を対象とした会議「WWDC」での一こま。ティム・クック最高経営責任者(CEO)ら幹部が登壇した基調講演で、今秋発売予定のプロ向けパソコン「Mac Pro(マックプロ)」を"チラ見せ"したのだ。同社が発売前の製品を披露するのは極めて異例。WWDCでは目玉のハードウエアを発表することが恒例になっており、「なんとか取り繕うために無理して出してきた印象」(国内パソコンメーカー関係者)とも受け取れる。

同社は良くも悪くもハードウエアの会社だ。魅力的なハードウエアで消費者と接点を持ち、そのうえで垂直統合型でソフトウエアやサービスを提供して独自の生態系を作り、そこにユーザーや開発者を囲い込む。ソフトウエアやサービスは魅力的な生態系を作るためのツールで、利益の大半はハードウエアからかせぐ。同社の四半期ベースの売上高を製品種別ごとにみると、実に9割をハードが占め、音楽配信やアプリ配信は1割にとどまる。

■低価格製品の人気が利益率を圧迫

同社が2四半期連続で減益となったのは、低価格商品が利益率に影響を与えたものだ。

ハードウエア製品の中でも、4~6月期に3124万台を販売したスマートフォン(スマホ)iPhoneが、売り上げは約181億5400万ドルと全売り上げ353億2300万ドルの半分以上を占め、同社の屋台骨を支える存在である。しかしながら、このiPhoneも前年同期と比べて台数が20%増えたものの、売り上げは15%増にとどまる。

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