2019年6月18日(火)

パソコンの落日 揺らぐ「IT集積地」台湾の存在感

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2013/7/18 7:00
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パソコン市場の急激な縮小を受けて、台湾のIT(情報技術)業界が苦悩している。世界のIT産業の一大集積地に発展したのは、パソコンが最大のけん引役だったからだ。主役がスマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)に切り替わることで需要が減るサービスも多い。台湾は従来のような存在感を保てるのか。

■出荷台数激減に青ざめる関係者

宏碁(エイサー)のパソコン出荷台数は前年同期比32.6%減の623万台、華碩電脳(エイスース)は同21.1%減の459万台――。米調査会社のIDCが10日に発表した2013年4~6月期のパソコン出荷台数のデータが、台湾のパソコン業界関係者を青ざめさせた。

エイサーはパソコンで世界シェア4位、エイスースは同5位。上位メーカーの中国レノボ・グループ、米ヒューレット・パッカード(HP)、米デルの3社は、出荷台数の前年同期比の減少幅が1.4~7.7%にとどまっている。それに比べると台湾勢の不振ぶりは際立つ。

台湾勢の主力商品は個人向けのノート型パソコン。タブレットとの競合が最も激しい分野で、需要減少の波が直撃した形だ。上位3社は需要の変動が比較的少ない法人向け出荷が台湾勢よりも多いことが奏功した。

だが市場全体では4~6月期で11.4%減の7563万台と大幅なマイナス。このため、世界のノート型パソコンの受託生産の9割を握るとされる台湾のEMS(電子機器の受託製造サービス)会社の受注も不振を極めている。

台湾では1980年代に当局の主導で、パソコン関連業界が発展。エイサーや半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)などが成長した。90年代以降はノート型パソコンを中国大陸で大量に組み立てる広達電脳(クァンタ)などEMS会社が急成長し、世界のパソコンのサプライチェーン(供給網)で台湾企業は欠かせない存在となった。

特に台湾のEMSは米半導体大手のインテルや各種の部品メーカーと強固な関係を構築。2000年代半ば以降は顧客のパソコンメーカーからでなくインテルなどから直接、パソコン開発に必要な半導体の技術情報などを仕入れるようになった。この情報を活用し、従来はパソコン各社が手掛けていた設計やデザインなどの企画業務までを代行し、発言力を高めてきた。

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