日本でも業界再編前夜 火種は米で猛威のネット放送
ITジャーナリスト 小池 良次(Ryoji Koike)

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2013/6/21 7:00
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日本経済新聞 電子版
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米国で、「Netflix(ネットフリックス)」やユーチューブ、アマゾン・ビデオなど、インターネットを使ったブロードバンド放送が、放送業界再編の引き金を引きつつある。地域独占の優位を謳歌し米国の茶の間を長らく牛耳ってきたケーブルテレビ(CATV)に対し、圧倒的なコストパフォーマンスで圧倒。最近では独自コンテンツの制作に力を入れ始め、その存在感をますます増している。数年後には、日本向けのコンテンツをひっさげて本格的に上陸することもありうる。

基調講演をするNCTAのマイケル・パウエル氏

基調講演をするNCTAのマイケル・パウエル氏

■年4割増のペースで急成長する通信量

米国でインターネットを使ったブロードバンド放送が着実に伸びている。たとえば、大手「ネットフリックス」は約2900万加入に達し、米国最大の有料ビデオサービス事業者を自負している。一方、投稿ビデオの「ユーチューブ」は月間累計視聴者数が10億人を超えて、なお急成長を続けている。そうした状況で、CATV事業者は対応策に追われている。

10日から3日間、ワシントンDCで開催した「ザ・ケーブル・ショウ(全米CATV事業者年次総会)」では「ブロードバンド」がキーワードになった。

初日の基調講演に立ったCATVの業界団体NCTA(National Cable&Telecommunications Association)のプレジデントであるマイケル・パウエル氏は、CATV業界が米国におけるブロードバンド普及に大きく貢献してきたことを強調した。だが、ブロードバンド事業がCATV大手の業績に、必ずしも大きく貢献しているとは言えない。

たとえば、大手CATV事業者の技術トップが集まるCTO(最高技術責任者)パネルでは、次のようなやり取りがあった。

「ザ・ケーブル・ショウ」で開催されたCTOパネル

「ザ・ケーブル・ショウ」で開催されたCTOパネル

「ブロードバンド・トラフィックが年率4割のペースで増え続けている。少なくとも2016年までは、この調子が続くと見ている」(タイムワーナー・ケーブル)、「我が社も年率4~5割のペースで増加している。昔のように規模が小さければよいが、これだけ大量のトラフィックをさばいている現状で、この増加ペースに対処するのは大変だ」(コムキャスト)

夕方から夜の時間帯にかけて、米国におけるブロードバンド通信の7割はネットフリックスのビデオ信号で埋まる。ネットフリックスだけでなく、…

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