「スマホ生態系」がITの中心に 電脳商都でみた地殻変動
台北科技市場研究 大槻 智洋

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2013/6/13 7:00
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日本経済新聞 電子版
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先週、台湾・台北市で開かれたアジア最大のコンピューター見本市「COMPUTEX TAIPEI(台北国際電脳展)」における話題の中心は、大方の予想通り急成長を続けるスマートフォン(スマホ)やタブレットでした。その一方で、これまで長らく中心的な存在だったパソコンは存在感が急落。主役の交代とビジネスの生態系の変化を強く印象づける展示会となりました。

「COMPUTEX TAIPEI」では、米グーグルの基本ソフト(OS)「Android」を搭載したタブレットを中心に、膨大な数の民生機器や部品が発表されました。ただ、雑多なだけにポイントがつかみにくいかもしれません。今回は新たなトレンドの読み方を紹介します。

Acerは9機種もの新製品を発表した

Acerは9機種もの新製品を発表した

筆者はポイントは3つだと思います。第1は、台湾エイサー(Acer=宏碁)と台湾エイスース(ASUS=華碩)という2大ブランド企業が新商品を順調に送り出すということ。第2は、パソコン産業は「やっぱり、もう成長しない」(台湾の証券アナリスト)と大多数の人が確認したこと。第3は、中国企業が台湾のEMS/ODM企業(電子機器の設計/製造受託企業)に代わって成長する兆候があったこと、です。

■基本戦略は「早く多機種を開発してシェアを確保」

第1の点は、前回の『列強しのぐ「身軽さ」「安さ」 台湾ITの"しぶとい戦略"』に詳しく書きました。

付け加えると、両社の新製品の発表機種数は、エイサーが9機種(ノートパソコン:6、タブレット:2、スマホ:1)、エイスースが6機種(ノートパソコン:2、タブレット:3、スマホ:1、ノートパソコンとタブレットが合体する「Trio」はノートパソコンとしてカウント)です。これに対して日本企業は、ソニーが「VAIO Pro」を発表するにとどまりました。

米アップルのように熱狂的なファンを抱えているわけではない民生機器メーカーの基本戦術は、他社に先駆けてたくさんの機種を発売することです。以下のエイスースの新製品の仕様を見れば、同社が機種数を無理に「水増し」しているわけではなく、多様なユーザーを獲得するため幅広い機種をそろえようとしていることが分かるはずです。

エイスースの新型タブレット、スマートフォンの一部
名称Fonepad Note FHD 6Memo Pad HD 7Trio
発売2013年第3四半期2013年7月2013年第4四半期
画面寸法6型7型11.6型
画面画素数(画素密度)1920x1080(367ppi)1280x800(216ppi)1920x1080
プロセッサーIntel Atom Z2560(1.6GHz、デュアルコア)Mediatek 8125(Cortex A7、クアッドコア)Intel i7-4500U(4th Gen Core)、Intel Atom Z2580(2GHz)
OSAndroid 4.2Android 4.2Windows 8、Android 4.2
価格未開示129~149米ドル未開示
重さ未開示302g<タブレット部>450g、<キーボード部>600g
厚さ未開示10.8mm未開示
ストレージ容量~64GB8~16GB<タブレット部>64GB、<キーボード部>750GB
DRAM容量未開示1GB未開示
カメラ画素数120万画素と800万画素120万画素と500万画素なし
電池寿命未開示10時間タブレット部とキーボード部を接続した時Android使用で15時間、Windows使用で6時間

■インテルの新CPUは期待はずれ

第2のパソコン産業に対するさらなる失望感は…

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