ニコニコ超会議で見た未来のライブ
(テクノロジー編集部BLOG)

2013/5/11 10:44
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「ニコニコ動画(ニコ動)のすべてを地上に再現する」をコンセプトに開かれた巨大イベント「ニコニコ超会議2」が今年も盛況に終わりました。大型連休前半の土日、会場となった幕張メッセ(千葉市)には10万3561人が押し寄せ、「ニコニコ生放送(ニコ生)」を通じた会場からの生中継には延べ509万4944人もの視聴者がくぎ付けになりました。

会場は、まさにカオス(混沌)。自衛隊が戦車を持ち込み、安倍晋三首相など多数の政治家も駆けつけるなど、公共機関や政党も無視できないイベントとなったのは既報の通りです。ただ、超会議の真骨頂は、こうした「報道受け」しやすい場面のほかにあります。それは、ニコ動で活躍する一般のユーザーがステージで脚光を浴びる有料のライブ「超パーティー」です。

   ◇         ◇   

超パーティーは幕張メッセに併設するイベントホールで2日間にわたって夜間に開催されました。1日あたり6000席を用意した5800~6800円の"リアル"チケットは完売。せり出した大きなステージがギリギリ見える見切り席も用意しましたが、それでも関係者向けの席が足りず、涙をのんだ取材関係者もいたほどです。2000~2500円で生中継が視聴できるネットチケットも販売され、このネット中継だけで、無料視聴ができる部分も含めて延べ約110万人もの視聴者が群がりました。

超パーティー2日目は、全員がニコニコ動画が大好きな一般ユーザーで結成したというオーケストラが登場し、観客を驚かせた

超パーティー2日目は、全員がニコニコ動画が大好きな一般ユーザーで結成したというオーケストラが登場し、観客を驚かせた

圧巻はその上演時間。初日は4時間超、2日目は5時間超にもわたり、ニコ動で人気のパフォーマーたち総勢350人が熱狂の渦を巻き起こしました。こう書くとチープに聞こえるかもしれませんが、本当にそこには信じられないほどの熱狂があったのです。

超パーティーには、有名人、著名人も参加しました。初日は小林幸子さんや堀江貴文氏が歌を披露し、TRFがサプライズ出演。2日目は中川翔子さんや奥華子さんなどが登場し、観客を喜ばせていました。それ以上に、ニコ動で人気のパフォーマーや「初音ミク」などのバーチャルアイドルたちが観客を沸かせます。

しかし、今年の超パーティーでは、もっとそれ以上の歓声を浴びていたある出演者の人気ぶりに驚かされました。「ゲーム実況」と呼ばれるジャンルの出演者です。ニコ動は詳しいつもりでいましたが、彼らへの歓声を聞きながら「なんだ、これは……」とキツネにつままれたような感覚に陥りました。

ゲーム実況はニコ生で人気の番組ジャンル。単にしゃべりながらいろんなゲームをする様子を生中継するだけなのですが、これになぜか多くの固定ファンがついています。歌や踊りがうまいわけでも、イケメンがそろっているわけでもないのですが、なぜか、すさまじい人気を誇っているのです。その中心となる支持層が女子中高生。会場で熱狂ぶりを目の当たりにしました。

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十数人の男性がステージに上がり、失礼ですが、あまりおもしろいとは思えないような、グダグダなトークを繰り広げながら、1983年に発売された往年のアクションゲーム「スペランカー」をプレーするだけ。しかし、周囲にいた、かわいらしい格好をした普通の女子高生たちは、ペンライトを一心不乱に振り、その日一番の黄色い声を浴びせるのです。

自分の席の周囲がヘンなのかと思い、会場を見渡しましたが、全体が揺れているようでした。客席を歩き回り確認しましたが、観客全体の半数ほどに達していると思われる女子中高生の大半が、ステージ上の素人に、割れんばかりの声を上げ、熱狂しているのです。

ゲーム実況の素人ユーザーに熱狂する女子中高生をぼーっと眺めながら、3年後か5年後の日本、あるいは文化の違うどこかほかの世界に自分が迷い込んだような錯覚を感じました。自分は未来のどこかにいるのではないのかと。種類は違いますが、6年ほど前、東京・秋葉原でAKB48を含むアイドルたちに熱狂する男性の集団を目の当たりにしたときも、同じような感覚に陥った覚えがあります。

ゲーム実況が好きだという高校3年の女子に何がおもしろいかを聞いたところ、「敵にあったときなどの反応がおもしろい」「声がかっこいい人がいる」などの返答。これでは釈然としないでしょう。私もそうです。真相究明は今後の宿題とさせてください。

(理)

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