2018年12月19日(水)

日本発・宇宙インフラ事業をアジアに、14兆円市場にらみ産学官が連携

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2013/5/6 7:00
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人工衛星からの観測などによって得られる膨大な空間・地理データを活用した「宇宙インフラ」をアジア諸国に輸出する一大プロジェクトが始動する。東京大など3大学によるコンソーシアムがこのほど発足、宇宙航空研究開発機構(JAXA)やNTTデータなどとも連携して、産学官で宇宙データをアジアにおける資源開発や災害対策、交通網整備などに生かしていく。同時に国内の航空・宇宙関連企業との共同研究にも取り組み、日本発の宇宙インフラを広げていく。欧米や中国が積極的に宇宙インフラの海外展開に動いており、日本も総力をあげて参戦する。

第1回目の国際教育プログラム「G-SPASE」には、3大学の学生約30人が出席(4月28日、横浜市の慶大日吉キャンパス)

第1回目の国際教育プログラム「G-SPASE」には、3大学の学生約30人が出席(4月28日、横浜市の慶大日吉キャンパス)

「日本は観測や測位、通信など宇宙インフラに関する個別の要素技術のレベルは高いが、それを横断的にシステムとして構築していく人材が育っていない」――。東大、東京海洋大、慶応義塾大の3大学は4月末に「宇宙・地理空間技術による革新的ソーシャルサービス・コンソーシアム(GESTISS)」を設立。旗振り役の一人で、コンソーシアム代表者の東大の柴崎亮介教授は、日本の宇宙技術の世界輸出に意欲を見せる。

具体的にはまず、全地球測位システム(GPS)を使い、人や建物の位置を高精度で把握・解析できるソフトウエアの開発を進める。設計図に当たるソースコードを公開する「オープンソース」方式を採用して、大学や企業、研究機関のノウハウを持ち寄ることで、世界最先端のソフトを短期間で実用化する。これをベースに、フィリピン、ベトナム、バングラデシュ、インドネシアなどのアジア諸国で、共同研究や調査にも取り組む。

柴崎教授がアジア開発銀行と取り組む携帯電話を使った防災システム開発(バングラデシュのジャマルプル県)

柴崎教授がアジア開発銀行と取り組む携帯電話を使った防災システム開発(バングラデシュのジャマルプル県)

さらに、開発する最先端ソフトを教材として、国際教育プログラム「G―SPASE」も展開する。コンソーシアムを構成する各大学在籍生のほか、バングラデシュ、インドなど海外の提携大学の学生らが対象。宇宙工学や衛星測位技術、衛星工学やシステムデザインといった座学のほか、JAXAや情報通信研究機構(NICT)、NTTデータ、NEC、日立製作所などの連携企業のプロジェクトに参加する機会を設ける。タイのアジア工科大学、米マサチューセッツ工科大学、バングラデシュ工科大学とも交流を進める。

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