ベンチャー育成は「少子化対策」の切り札になる

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2013/2/13 7:00
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先週、私の投資先で、昨年末に大手企業に買収されたベンチャーの社長と、買収先企業の担当役員との三人で夕食をする機会を得た。買収成功のお祝いと近況報告を伺うためだ。実は、この誘いを受けた時に、正直私はちょっとした不安を抱えていた。

■良い買収、悪い買収

週末は子供達とペブルビーチでゴルフ観戦。シリコンバレーから車で1時間半位の場所にある(筆者撮影)

週末は子供達とペブルビーチでゴルフ観戦。シリコンバレーから車で1時間半位の場所にある(筆者撮影)

それは、過去の米国の統計によると、買収の多くは、その後の人材の流出や不和、ベンチャーのモラル低下などで失敗に終わるケースが圧倒的に多いからだ。

当然、買収のプロセスでは、私なりに、この買収が本当に両社にとってプラスなのかということを真剣に考え抜いた上で、ベンチャーの社長に最終的な意思決定を任せた。だからといって、うまくいくとは限らない。

ただ、当日会ってみると、私の不安は杞憂(きゆう)にすぎないことが分かった。その後買収されたベンチャーは、期待通りの活躍をし、何よりもうれしいことに、従業員が非常に生き生きと働いているという。これぞ、理想の買収のあり方だ。

伊佐山元(いさやま・げん)
1973年2月生まれ。97年東大法卒。日本興業銀行からスタンフォード大学ビジネススクールに留学し、ベンチャーに目覚める。現在、米大手ベンチャーキャピタルのDCM本社パートナーとしてITサービスやネットメディアの投資を担当。日米のテクノロジーベンチャーを発掘し、世界に広めることを生き甲斐とする。プライベートでは子供にゴルフを教えながら頭と心を鍛えるのが趣味。

伊佐山元(いさやま・げん)
1973年2月生まれ。97年東大法卒。日本興業銀行からスタンフォード大学ビジネススクールに留学し、ベンチャーに目覚める。現在、米大手ベンチャーキャピタルのDCM本社パートナーとしてITサービスやネットメディアの投資を担当。日米のテクノロジーベンチャーを発掘し、世界に広めることを生き甲斐とする。プライベートでは子供にゴルフを教えながら頭と心を鍛えるのが趣味。

他方、買収後のベンチャー企業側の変化として、非常に興味深い話を聞いた。今回は、ベンチャー企業が買収された後に起こる、ちょっとした社会効果や経済効果について取り上げてみたい。

■ベンチャーが成功するとき(1)お金の力!

ベンチャーが"良い"形で買収されるということは、投資家だけでなく、創業者や創業時の従業員が株式の売却によって大きなお金を手にすることでもある。20歳代、30代の若者が、通常のサラリーマンが一生働いて手に入れる収入以上のお金を手に入れる。

(ここであえて「"良い"買収」と言っているのは、買収にも、清算処理のための会社の売却や、簿価を下回る買収など誰ももうからない場合も多くあるからだ)

日本人の典型的な心情からすると、やっかむ気持ちも分からなくもないが、リスクの高い事業に挑戦した者が、その成功の先に大きな果実を手にいれることは、極めて健全かつ重要なビジネスの法則である。

ただ、本当の成功は、実際にその果実をいかにその後の人生に生かしたかで決まると考えている。

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