社長解任! ベンチャーキャピタリストの憂鬱

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2013/1/29 7:00
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ベンチャーキャピタルの仕事っていつも楽しそうで、前向きだよね」

世界を変えることを夢見ている起業家を応援することは確かに楽しく、新しい刺激にあふれる毎日だ。周囲の人にもそう映っていることだろう。

その一方で、実際の現場では嫌な仕事も多い。正直いうと、胃に穴があきそうな思いをしている時間の方が長い。今回はそんな、ベンチャーキャピタルにとっての「つらい仕事」というテーマを取り上げたい。

出張で搭乗した「幻のB787フライト」。帰りの便はありませんでした(筆者撮影)

出張で搭乗した「幻のB787フライト」。帰りの便はありませんでした(筆者撮影)

■断腸の思いで「社長をクビにする」

ベンチャーキャピタルの仕事をして10年になるが、何度経験しても苦手な仕事が一つある。それは支援しているベンチャー企業の社長を交代させることだ。平たく言えば「クビ」である。

どんな理由で社長を解任するにしても、ひとの人生を悪い方向に大きく変えるということは、同じ血の通う人間としてつらいことこの上ない。私がこの仕事を投げ出したくなる瞬間でもある。

「そんなナイーブなことを言って」と同僚や他のベンチャーキャピタルに揶揄(やゆ)されたことも多いが、どうしても相手の立場を考えすぎてしまう性格からすると、毎度断腸の思いをしている。

私も投資先の社長をクビにする場面を何度も目にし、実際に何度か自ら行った。そのすべてが、いまだに私の脳裏に強烈に残っている。今こうして思い出しても、胃が痛くなる経験であるが、実際にどのような理由でクビにせざるを得なかっただろうか?

■社長がクビになる理由(1)業績不振

当たり前ともいえるが、もっとも多い理由は、パフォーマンスである。簡単にいえば、実際に立てた事業計画と実績があまりにも乖離(かいり)しており、その差異が生じた理由が稚拙な場合である。端的にいうと、社長の経験不足によることが多い。

単純に「ワンストライク」で交代ということはめったにないが、スリーストライクで退場してもらうことは、時間とスピードが命のベンチャーにとっては当然ともいえる。

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