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「選手は年俸もらい過ぎ」 語ることを恐れなかった松井
スポーツライター 丹羽政善

(3/3ページ)
2013/1/7 7:00
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発言することを恐れない選手でもあった。

一度、クリーブランドのベトナムレストランで、昼食をとりながら話を聞いたことがある。

話がそれて大リーグのビジネスの話となったとき、選手の年俸について彼は、臆することなく言った。

「選手は、はっきり言ってもらいすぎですよ」

■選手はもらい過ぎ、と口にしたただ一人の選手

自身はその少し前に、4年5200万ドルでヤンキースと再契約を交わしていたが、それを否定するような発言。

裏には、浮世離れした年俸が一般の人の反発を買い、野球離れにつながるかもしれない、との危惧があった。確かに当時、選手の年俸が高すぎるとの声があがり始めていた。ただ、大リーグの選手からそれを認めるような発言を聞いたのは、後にも先にも、あの時だけだ。

彼レベルになると、その発言は重みを持ち、影響力もある。そういう選手が、はっきりと意見を言う。それは、実に新鮮なことだった。

野球の話で今も強く印象に残っているのは、やはりホームランの話だ。

あるとき、「1試合のうちに、ホームランにできる球は、どのくらいあるのか?」と聞いたことがある。

それに対して松井は、「何回もあるはずですよ」と即答した。

何回もあるなら、なぜ、そのうちの一つを捉えられないのか?

ぶしつけな質問をすると、「できないんですよ、そう簡単に。バッティングピッチャーのボールだって打ち損じるぐらいだからね(笑)。それがたとえ失投でも、ピッチャーが本気で抑えようとしている球なんだから、やっぱりなかなか……」とは言ったものの、こうつないだ。

「本気でホームラン王を取る、数を増やしたいというんであれば、やはりそこですよね、いかにそういうボールをしっかり打てるか。だって、難しいボールなんて、めったにホームランにできないから」

キャリアの終盤、そういう球をどう捉えていたのだろう。捉えたと感じたものが飛ばないのか。それとも、見逃してしまっているのか。昔は、こうだったはずなのに……。イメージと結果はどうズレていたのだろう。

いつかまた、会う機会があればそのことを聞いてみたいと思う。

その時も、彼ならきっとこう応じてくれるだろう。

「ちょっと、いいですか?」と聞けば、「いいですよ」と。

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