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「選手は年俸もらい過ぎ」 語ることを恐れなかった松井
スポーツライター 丹羽政善

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2013/1/7 7:00
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ヤンキースが遠征していたトロントを訪れて、松井秀喜に会ったのは彼がヤンキースに入団して3年目の春だった。

試合前、鰻の寝床のようなビジタークラブハウスに顔を出すと、たまたま松井が1人でロッカーの椅子に座っていた。忙しそうで声を掛けられない、という雰囲気でもなかったので、近づいて、当時寄稿していた雑誌の名前を挙げながら「少し、話を聞かせてもらえますか?」と問うと、返ってきたのは予期していない言葉だった。

■驚くほどあっさり「取材OK」

「いいですよ」

「えっ、いいんですか?」

思わず聞き返した。「今はちょっと……」と断られるのは覚悟の上。松井とはその瞬間がほぼ初対面だったのである。

答えを濁されたら、「明日はどうか? 明後日は?」と別の選択肢を示しながら、都合のつくタイミングを聞くつもりだったが、想定問答はまったく用をなさず、戸惑っているうちに、「今からケージ(室内打撃練習場)に行かなければならないので、その後はどうですか?」と松井。

果たして練習後、戻ってきた彼の方から声をかけてきた。

「やりましょうか」

椅子を勧められ、15分弱向き合った。ただ、初顔の記者をさらりと受け入れるとは――と、最後まで狐につままれたような気分は消えなかった。

その後も松井とは、多くの時間を過ごしたわけではない。むしろ、わずかと言っていい。それでも顔を合わせれば、眉を上げて「オッ、久しぶり」という表情をこちらに向け、「ちょっといいですか?」と切り出せば、答えは決まって、「いいですよ」だった。

振り返れば、その度に彼には、いい意味で裏切られ続けた。

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