2018年8月20日(月)

悩めるミクシィ、笠原社長の誤算と覚悟
ユーザーファースト、ソーシャルゲームで復権なるか

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2012/11/22 17:21
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 大手SNS(交流サイト)「mixi」を運営するミクシィが従来路線とは異質な動きを見せている。今年10月、突如「ユーザーファースト(利用者第一)」を最重要テーマに掲げ、11月にはユーザーを本社に招いて笠原健治社長自ら「お叱りの声」に耳を傾けた。一方22日にはディー・エヌ・エー(DeNA)と提携。ソーシャルゲームを拡充し、収益力を強化するという。いったい何が起きているのか。どこへ向かうのか。笠原社長の心中に迫った。(文中敬称略)

 11月9日、夜10時近く。東京・渋谷のオフィスビルに入居するミクシィ本社の会議室。笠原以下、ミクシィ社員40人ほどを前に、突然その女性は涙の訴えを始めた。

ミクシィが開催したユーザーとの交流会の最後、社員は直立してユーザーの訴えに耳を傾けた

ミクシィが開催したユーザーとの交流会の最後、社員は直立してユーザーの訴えに耳を傾けた

 「私は8年間、ほぼ毎日mixiに来ております。ホント、mixiが大好きなので、またみんなが安心して交流できるコミュニティに戻ってほしいです……」

 感極まり、涙がこぼれる。しばらくの静寂の後、女性はむせびながら懸命に続ける。「殺伐とした治安の崩れたmixiではなくて、いい雰囲気だった昔のmixiにまた戻ってほしいと思います」

 ミクシィが一般ユーザーを招待して開催した交流会「ユーザーファーストウィーク」の最終日。社員以外、誰もいなくなった最後の場面の出来事だ。

■後続に次々抜かれ下降トレンドに

 来年2月、サービス開始から丸9年を迎える国内老舗のmixi。かつては日本最大のSNSとして隆盛を誇った。が、「ツイッター」や「フェイスブック」といった“外来種”に加えて「LINE」など新種のソーシャルメディアにも押され、じり貧の状態が続いている。

 確かにmixiもスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の波に乗り、スマホ経由でアクセスするユーザーは右肩上がりに伸びている。しかしパソコンやフィーチャーフォン(従来型携帯電話)経由も含めた全体では天井を打った。月に1回以上ログインする「アクティブユーザー」数は、東日本大震災後の11年5月の1547万人をピークに漸減、12年9月は1402万人まで落ち込んでいる。

 グローバル企業は日本市場の数字など気の向いた時にしか公表しないが、12年9月、フェイスブック最高執行責任者(COO)が「日本のアクティブユーザー数が1500万人を超えた」とブログで明かし、「ついにmixiを逆転」と話題になった。ツイッターはすでに、各種調査によると2000万人を超えていることは確実。そして2つの外来SNSは今も成長し続けている。

■DeNAとの業務提携で収益テコ入れ

 他方、スマホ向けメッセンジャーアプリとして11年6月に始まった日本生まれのLINEは、mixiの登録ユーザー数2700万人を軽々と超え、12年11月時点で3500万人に膨らんだ。アクティブユーザー数は3000万人以上で、mixiの2倍以上に達する。

 進む「mixi離れ」。伴ってミクシィの業績も下降気味だ。

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