2019年9月19日(木)

「LINE」が変えるリアル経済、ポイントも開始
3500万人武器に「O2O」のインフラ狙う

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2012/11/19 14:16
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「公式アカウントでは、少なくとも数十万人のフォロワーが情報を受け取り、1回のクーポン配信で10万人規模が来店した事例もある。ウェブの世界では鬼門といわれてきた(ネットからリアル店舗に送客する)O2Oにチャレンジした結果、これほど効果が表れた例はないんじゃないかと自負しています」

今年5月から始まった公式アカウントは11月現在で計70ある。このうち初期費用200万円、月額150万円がかかる企業・ブランド分野、テレビ番組などエンターテインメント分野のアカウントは33。希望する企業の中から選定を進め、入念に話し合ったうえで、少しずつ慎重に数を増やしていった。結果わかったことは、ユーザーは受け入れ、企業も高額な利用料ながらメリットを感じることができ、LINEも収益化につながるという「三方よし」が成立することだった。

■「Lチキ半額」に10万人が殺到

ローソンの公式アカウント。クーポンコードを店頭端末に入力することで紙のクーポンを得ることができる

ローソンの公式アカウント。クーポンコードを店頭端末に入力することで紙のクーポンを得ることができる

例えば、舛田がよく引き合いに出すローソンのフォロワー数は、今年6月のアカウント開設からわずか数日で100万人を突破。8月、アカウントをフォローするともらえる「ローソンクルーあきこちゃん」のオリジナルスタンプを無料で配布すると、また一気に100万人以上が上乗せされた。11月19日時点のフォロワー数は約425万人に達する。

月額150万円に加え、無料スタンプ配布は1000万円もかかるが、ローソンの担当者、広告販促企画部の白井明子は、「数百万人を獲得するための広告宣伝費や販売促進費に換算すれば、十分にペイできている」と満足げだ。メディア力もすごいが、クーポンの効果もすごい。

7月、「Lチキ(128円)」の半額クーポンを先着150万人のフォロワーに配信したところ、約10万人が店頭で使用した。「通常、クーポン行使率はよくて3%」(白井氏)だが、LINEでは7~8%と高い反応。高校の近くや大学内にあるローソンに、ちょっとした騒ぎになるほど客が押し寄せたため、9月、10月と実施したクーポンは先着10万人にとどめたほどだ。

公式アカウントのメッセージは、ツイッターやフェイスブックページなどの更新とは違い、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)に「プッシュ通知」され目立つ。さらにLINEユーザーは友人とのやりとりのため頻繁にLINEを見る。月に1回以上使うアクティブ率は驚異の86%。1日に1回以上使う率も50%と高く、国内では1700万人以上が毎日触れている計算。だからこその恩恵を企業が受けられることを、ローソンなどの取り組みは示した。

■公式アカウントとの違いは?

こうしたLINE販促の評判はメディアなどを通じて広まり、公式アカウント待ちの行列ができるようになった。一方で、公式アカウントの料金は10月から、配信できる情報量を増やしたうえで4週間800万円と値上がりし、大企業以外は使いにくいという不満も広がりつつあった。

ただこれはつかの間の出来事。水面下では、課題を一気に解決する新たな公式アカウント、LINE@を準備していたから、じつにしたたかである。

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