サービス活性化、先進技術を生かす
「日本を元気にする産業技術会議」 シンポ開催
産業技術総合研究所が主催する「日本を元気にする産業技術会議」(後援・日本経済新聞社)は9月28日、都内で「サービス工学による新しい社会価値創造」をテーマにしたシンポジウムを開いた。サービス工学の研究成果を導入した企業の実例をもとに、産総研の研究者とシンポジウム参加者が活発な意見交換をした。

産総研はサービス工学研究センターが飲食店や介護施設などでセンサー技術を使い従業員の行動に関するデータを収集・分析した研究成果を報告。持丸正明センター長は「データは持っているだけでは負債。サービスに活用して資産化すべきだ」と強調。そのうえで「現場のデータを丸ごと取り、(現場の状況に応じた)文脈を理解できるようになるのも間近だ」と述べ、技術開発を加速させる考えを示した。
芝浦工業大学の新井民夫教授は10月にサービス学会を設立することを表明。産業戦略研究所の村上輝康代表はサービス学会の研究者やサービス工学分野の技術者らが連携して「サービステクノロジーの開発を加速させる必要がある」と指摘した。
位置情報システム開発を手掛けるマルティスープ(東京・渋谷)の那須俊宗代表取締役は廃棄物運搬車両の運行管理システムの実例を紹介。産総研は昨年10月、日経と共同で日本を元気にする産業技術会議を発足させ、産業活性化への提言活動をしている。