モノづくりVB、成功の3法則 フォーカス・シンプル・センス

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2012/9/10 7:00
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私が留学のため渡米した2001年、貧乏学生だった我が家の最初のテレビは、大手ディスカウント店、コストコ(COSTCO)で購入した武骨な韓国サムスン製だった。大手の家電販売店ベストバイで売っているソニー、パナソニックやシャープのおしゃれな日本製のテレビは高すぎて手が出ず、いつか手に届く日が来るのだろうかと思ったのをつい最近のことのように覚えている。

伊佐山元(いさやま・げん)
1973年2月生まれ。97年東大法卒。日本興業銀行からスタンフォード大学ビジネススクールに留学し、ベンチャーに目覚める。現在、米大手ベンチャーキャピタルのDCM本社パートナーとしてITサービスやネットメディアの投資を担当。日米のテクノロジーベンチャーを発掘し、世界に広めることを生き甲斐とする。プライベートでは子供にゴルフを教えながら頭と心を鍛えることを趣味とする。

伊佐山元(いさやま・げん)
1973年2月生まれ。97年東大法卒。日本興業銀行からスタンフォード大学ビジネススクールに留学し、ベンチャーに目覚める。現在、米大手ベンチャーキャピタルのDCM本社パートナーとしてITサービスやネットメディアの投資を担当。日米のテクノロジーベンチャーを発掘し、世界に広めることを生き甲斐とする。プライベートでは子供にゴルフを教えながら頭と心を鍛えることを趣味とする。

そのころのネットでの検索はもっぱらヤフーやエキサイトといった大手ポータル経由。スタンフォードの学生にグーグルという便利な検索ツールがあると紹介された時には、正直あまりの簡素さに戸惑った。

最初に買った電話も北欧のノキア製で、それこそ小さいレンガの塊のような不細工な携帯だった。日本の薄くてデザインの美しい携帯電話に慣れていた私には、世界の携帯電話は日本に10年は遅れていると、優越感に浸り、日本のハイテク産業のすごさを大学院の同級生に自慢したものだ。

2012年、格安店のコストコではシャープやパナソニック等日本製のテレビが一番目立つ入り口においてある。ベストバイの店内はサムスン、LGなど韓国製のテレビが半分以上のスペースを占領している。

筆者宅の近所にあるベストバイの店内写真。日本製も陳列されているが、明らかに韓国製家電が優位の薄型テレビコーナー(筆者撮影)

筆者宅の近所にあるベストバイの店内写真。日本製も陳列されているが、明らかに韓国製家電が優位の薄型テレビコーナー(筆者撮影)

ネットの世界でもヤフーは今や過去の会社の代表格で、グーグルやフェイスブックがシリコンバレーを席巻している。携帯電話の世界でいえば、5年前には存在もしなかったアップルのiPhone(アイフォーン)が、市場の3割を占めるまでに躍進して、あの格好良かった日本製品は、いまだに世界の市場で日の目を見ていない。

■ハイテク産業の栄枯盛衰

質素に見えても不思議と毎日使ってしまうサービス。そのデザインや質感が素晴らしく、持っているだけで気持ちが高揚するような商品。ハイテク業界に限らず、そんなモノやサービスを開発した先には大きなビジネスの成功と社会の賞賛が待っていることを、アップル社は証明してくれた。

5年前まではデザイナーやエンジニアといった一部のファン層をとりこにすることがコアのビジネスであった大企業が、アイフォーンという誰もが使える一つの商品をきっかけに、時価総額を100倍にもして、世界一価値のある会社なった。

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