モノづくりVB、成功の3法則 フォーカス・シンプル・センス

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2012/9/10 7:00
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しかも、発売当初アイフォーンは既存の携帯メーカーからも、著名なコンサルやアナリストからも絶対に失敗するといわれていた。決して商品が斬新で、真新しかったわけではない。むしろ、日本の製品やデザインをヒントにして、そこに新しいライフスタイルを提案し、すでにあった要素を組み合わせて出来上がった製品である。

当然、「組み合わせの妙」は言葉でいうほど単純ではないが、そんなアップルの躍進は、挽回の兆しが見えずに苦心する日本の電機大手含め、未来への成長に悩む世界中の多くの企業やベンチャーにとって大きな励みと希望である。

私の専門とするハイテク業界がそれだけ流動的で、栄枯盛衰が早いということは、投資家としては大きなチャンスでもある。つまり、挑戦者には誰にでも成功のチャンス、逆転のチャンスが与えられているということだ。

今日のように安価にモノを設計し、プロトタイプを作成し、実際に少量でも生産して世界中に販売する手段が確立すると、このチャンスは、一介のモノづくりベンチャーにも与えられるという意味でもある。実際に、次のアップル、ソニー、サムスン、トヨタ、ホンダを夢見ているベンチャーの数はシリコンバレーで増えている。

今回は、私が実際に出会って、投資を検討し(そのいくつかには実際に投資した)、成功したベンチャー(主にモノづくり系)で感じた共通点をご紹介したい。

■勝者の特徴 その1:フォーカス(Focus)

私の出会った多くの成功した起業家は、"razor focus" "hone in"といった言葉を多用する。Razorは剃刀(かみそり)、Honeは砥石という名詞だが、両表現とも極度に集中する、フォーカスするという意味である。それこそ、鋭い刃のようにある分野の技術、ビジネスに集中するのだ。

我々ベンチャーキャピタリストも、起業家に会うたびに、"Focus Focus Focus"と呪文のように唱えている。つまり、ベンチャーの成功の秘訣はその商品やサービス、ビジネスモデルのフォーカスにあるというわけだ。

一方で、総合デパート型モデルは、正反対だ。過剰機能、過剰品質。技術的な優位は誇れても、それを利用する消費者には難しく見えてしまう。より多くのニーズにこたえようとする姿勢は一見正しいようでも、デンマークのことわざにもあるように、多くの人の意見に基づいて家を建てると不格好になるという結果になる。(He who builds according to every man's advice will have crooked house)

グローバルで国境なき時代では、いかに多くの選択肢の中から際立つ異彩を放てるか、人を魅了するものがあるかで成功は決まる。これは大企業も、ベンチャーも、我々個人も同じだ。100人並んだ時に際立つ特徴やストーリーが求められる。

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