2017年12月15日(金)

5歳から始まる起業家教育 「シリコンバレー流」の壮大な実験

(1/4ページ)
2012/8/20 7:10
保存
共有
印刷
その他

 私が住んでいる市に隣接するロスアルトス市(カリフォルニア州)の公立学校で、IT(情報技術)を駆使したある画期的な実験が行われた。

伊佐山元(いさやま・げん)
1973年2月生まれ。97年東大法卒。日本興業銀行からスタンフォード大学ビジネススクールに留学し、ベンチャーに目覚める。現在、米大手ベンチャーキャピタルのDCM本社パートナーとしてITサービスやネットメディアの投資を担当。日米のテクノロジーベンチャーを発掘し、世界に広めることを生き甲斐とする。プライベートでは子供にゴルフを教えながら頭と心を鍛えることを趣味とする。

伊佐山元(いさやま・げん)
1973年2月生まれ。97年東大法卒。日本興業銀行からスタンフォード大学ビジネススクールに留学し、ベンチャーに目覚める。現在、米大手ベンチャーキャピタルのDCM本社パートナーとしてITサービスやネットメディアの投資を担当。日米のテクノロジーベンチャーを発掘し、世界に広めることを生き甲斐とする。プライベートでは子供にゴルフを教えながら頭と心を鍛えることを趣味とする。

 9歳から12歳児(小学校5~6年生)を対象に、1年間算数の学習教材として、オンラインの無料動画サイト「Khan Academy(カーン・アカデミー)」を主教材として採用したのだ。

 このシステムは、全ての生徒の学習の進捗度合いがオンラインで管理できるようになっており、生徒一人一人がどの項目でつまずいたか、どれだけ他の生徒に比べ遅れているか等々、様々なデータを分析できる仕組みになっている。

 それぞれの生徒の学習の進み具合が可視化されることで、先生は遅れている生徒へのサポートを増やし、進んでいる生徒にはさらに高度な内容を自習させ、効率的に教えることが可能になった。

 従来の学習方法よりもはるかにコストが安く、生徒全体の偏差値も上がったそうである。市の小中学校で正式なカリキュラムになる日も近いと聞いている。

■公教育で「アントレプレナー」を輩出する

 日本の未来を担う子供たちの教育への関心が、このところ急激に高まっている。戦後基本的に変わっていない日本の教育はこのままで良いのだろうか? 変える必要があるとすればどのように変われば良いのだろうか? そもそも初等教育の果たすべきミッションは何なのか? 議論は尽きない。

校舎に隣接する公園には今日も青空が広がる(筆者撮影)

校舎に隣接する公園には今日も青空が広がる(筆者撮影)

 日本全体を“アントレプレナリアル(entrepreneurial=起業家的)”に。日本からも世界に通用するベンチャー人材の育成を――。これらを実現しようと考えた場合、その主体となる人間の幼少期に形成される学ぶ姿勢や、様々な体験を通じた世界観は、最も大切な要素になっているはずだ。

 今回は、私の子供たちが通うシリコンバレーの公立学校の現場を通じて、世界にイノベーションを発信するシリコンバレーの子供たちが、どのような教育を受けているのか、いくつか特徴をご紹介したい。読者の皆様が、今後の教育のあるべき姿を考える上での何らかのヒントになればと思っている。

■特徴その1:「平均主義」から「一点豪華主義」へ

 米国社会はよく“人種のサラダボウル”と表現される。サラダの具材がそれぞれ個性を失わず存在するように、個性あふれる人々がお互いを認め合いながら混在している。

 急激に進むグローバル化やボーダーレス化という現象は、世界がサラダボウル化することである。これは、個人が社会のなかで何ができるのか、どのような価値の創造や社会貢献ができるのかという尺度で、力量が測られる世界でもある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

関連キーワードで検索

アントレプレナー情報技術Academy教育現場



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報