夢を与える「ヒーロー」を育てよ、挑戦者=起業家に寛容な社会に

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2012/7/23 7:02
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私は、日本の社会を活性化させるのも、日本人が本来持っているベンチャー精神を奮い立たせるのも、ヒーローであると確信している。特に、今後日本を代表し、世界で通用するような企業を継続的に輩出するには、もっと数多くの起業家のヒーローが必要である。

日本のテクノロジー業界を見渡しても、ソフトバンクの孫正義社長、楽天の三木谷浩史社長、グリーの田中良和社長、GMOインターネットの熊谷正寿社長、サイバーエージェントの藤田晋社長など、社会に認知され、若者が憧れる経営者が増えてきていることは事実だが、まだまだ絶対数で足りていない。

■「ヒーロー不在」の日本、挑戦者をたたえる社会に

また、国内市場自体の活性化のためにも、ベンチャーに挑戦する起業家を社会のヒーローにしていく、寛容な精神と挑戦者を称賛する姿勢も不可欠だ。

ただ、一つ注意しなければならない教訓もある。日本でもかつて多くの若きベンチャー起業家がヒーローとして日々メディアに取り上げられた。しかし、一定の時間が経つとスキャンダルで足をすくわれ、バッシングの標的となり、社会から消えていくプロセスを繰り返している。こんな社会だとヒーローになりたくない気持ちの方が勝ってしまうのではないだろうか。同じことが繰り返されるとすれば、どんな優秀な人材も、ヒーローにはなりたくないであろう。

確かに、当時の多くの起業家の職業倫理やプロ意識が欠けていた。しかし、しゃくし定規に、ささいなミスに対しても、目立つ人間に鉄槌を加えてしまうことが今後も日本社会の特徴として残るとなると、日本はとてもつまらない国になってしまうと私は思う。

国民全体がもう少し寛容になり、日本の社会に活力を与え、世界に通用する経営者のヒーローを生み出そうではないか。多くのリスクをとって、社会の常識にチャレンジする挑戦者をたたえようではないか。それが一番単純で、もっとも効果のあるイノベーションやベンチャーの興し方だと確信している。すでにスポーツの世界では多くの日本人ヒーローが生まれ、我々に勇気と希望を与えてくれている。経営の世界でもそれができない理由は無いはずだ。

在米ベンチャーキャピタリスト 伊佐山元 (e-mail: gen.isayama@gmail.com)
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