2019年9月21日(土)

ソーシャルメディア運営 「管理せず」が開く可能性 (徳力基彦)

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2012/7/4 7:00
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徳力基彦アジャイルメディア・ネットワーク社長

徳力基彦アジャイルメディア・ネットワーク社長

国際的な広告関連の表彰イベント「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」において、スウェーデン政府観光局の「キュレーターズ・オブ・スウェーデン」という企画がグランプリに輝いた。この施策はスウェーデンの国の公式のツイッターアカウント(@sweden)の投稿権を、毎週1人のスウェーデン国民に開放し、自由に投稿してもらおうという企画だ。

企業や組織の公式なツイッターアカウントやフェイスブックページというと、当然その組織の中でもインターネット専門の担当者やスキルがある人、もしくは社長や広報部長など権限がある人「だけ」が投稿を担当すると考えるのが普通だろう。

(1)スウェーデン政府が公式ツイッターの管理を国民に開放し話題に。
(2)トップダウンの価値観とソーシャルメディアは相性が悪い。
(3)ソーシャルメディアの支配と管理を諦めると新しい可能性がみえる。

 日本でも首相官邸が公式ツイッターアカウント(@kantei)を持つなどソーシャルメディアを活用している。鳩山由紀夫元首相が在任中にツイッターを始めて話題になったこともあるが、通常は情報の出し手である政府側の人間が投稿内容を管理するのが常識のはずだ。

ところが、スウェーデン政府はこの常識を逆手に取り、公式アカウントの運営を、通常であれば情報の受け手側であるはずの一般国民に開放してしまったのだ。

スウェーデンのツイッターアカウントの担当に選ばれた人は1週間、自分の好きなようにこのアカウントを運営できる。自分の生活をつぶやいたり、スウェーデンの料理や風土を紹介したり。中には多くの人と議論する人もいるなど、担当になった人の運営の仕方は多様だ。

トラブルも少なくなかったようだが、スウェーデン政府が担当者を信じて任せるという姿勢をとり続けたことで、多くのユーザーからの共感を集めた。この点が今回のグランプリ受賞につながっているようだ。

あくまでこのスウェーデン政府の施策は1つのシンボル的な事例でしかないが、実はここに日本企業が参考にすべきソーシャルメディアの本質的なポイントが詰まっている。

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