2019年9月24日(火)

仮想空間のブランド構築 実態ある商品との連携を (三淵啓自)

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2012/6/27 7:00
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三淵啓自デジタルハリウッド大教授

三淵啓自デジタルハリウッド大教授

ルクセンブルクで今月開催された情報通信技術イベント「ICT SPRING EUROPE2012」の基調講演でフィンランド、ロビオ社のテーモ・ホゥフタネン氏は「アングリーバードはオーディエンスを集め、収益化に成功した。ゲームを知らずに関連グッズでファンになる人もいる」とマスメディアに頼らないキャラクタービジネスの可能性を語った。

アングリーバードとは2009年に登場、無料または1ドルで提供されているゲーム。全世界で10億ダウンロードを達成した。ゲームはアングリーバードをパチンコで飛ばし、敵を粉砕するといったもの。このゲームが注目されているのはダウンロード回数だけではない。キャラクタービジネスが大成功を収めているからだ。

(1)無料アプリのキャラクターにライセンスビジネスの可能性。
(2)単なるデジタルデータだけでは、ブランド化は難しい。
(3)実態のある商品が消費者の共感を呼び起こす。

 日本でも「おさわり探偵なめこ栽培キット」は、ニンテンドーDS用ゲームソフト「おさわり探偵 小沢里奈」のプロモーション用の無料アプリとして、昨年6月に配信が始まった。キャラクターは日本を飛び出し、アジア各国でも人気に。今月初めには累計1300万ダウンロードに達し、キャラクタービジネスとして展開が始まっている。もちろんアニメやゲームに登場するキャラクターを使ったグッズ展開は以前から盛んだった。従来と大きく異なるのは、無料のカジュアルゲームを母体として知名度を上げることでブランド化に成功。玩具や日用品に展開し、ライセンスで収益を上げている点だ。

また、米サンフランシスコの携帯広告会社、キープの共同創業者、ブライアン・ワン氏はこのイベントで「ゲームを楽しむ人が最も達成感を感じる瞬間は、ある場面をクリアした時だ」と分析。まさにその時「さらなる驚きを与えることができれば、喜びも増す」と力説した。キープはこの発想をもとに大胆な広告ビジネスを10年7月から始めて急成長。ゲームをクリアする時に、著名企業の試供品などをプレゼントするといったもので「累計8000万個のギフトを贈ってきた」と語る。

一方、日本のソーシャルゲームにおいては、収益モデルに法的問題を抱え、成長に黄信号が灯る。米国でもソーシャルゲーム企業の代表格であるジンガの株価がさえないなど、急激な変化が訪れていることがうかがえる。いずれも、ゲーム内の仮想商品の販売に依存、収益を安定させることに苦労している。これは、ゲーム内の仮想商品は、単なるデジタルデータでしかないので、その価値はゲームプレーヤーの参加人数と活動量に依存している。

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